知人が入院したので、入院用品(タブレットやUSBケーブルや筆記用具)を届けてきた。
免疫が落ちていて新型肺炎なんてもってのほか、という病気なので、病棟へのルートも特別扱い。
事前連絡で知らされた受付は、どうみても通用口。実際、元は業務用通路だった廊下が「クリーンなルート」として確保されているようだ。
まず靴裏や手を消毒してから、業務用通路みたいな廊下を歩いていく。そして最上階直通*1のエレベーターで、入院病棟の上の端にある一角へ移動する。キアヌ・リーブスが本部のエンジニアの指示をイヤホンで聞きながら潜入するのにぴったりな雰囲気だ。
ここで、肘から指先までをしっかり洗い、ガウンとゴーグルとマスクと頭のカバーをつけて、ようやく病棟に行ける。
入院用品は看護師さんとチェックして、取捨選択した後に、綺麗に拭く。しばらく紫外線を照射して、消毒薬が乾いた頃に部屋に持ち込むことになる。紫外線については「おまじない」だと笑っていたが、とにかくやることは何でもやっておこうという気負いと気概を感じる。
なるほど徹底している。
入院エリアの大半はWi-Fi使用可能だが、どうにも調子が悪かった。
看護師さん達に相談されて、簡単な処置をしてきた。インターネット接続の有無で入院患者のQOLは大きく変わるし、暇は誰にとっても良くない。だから、本来は放置したくないのだが、手も時間も足りないのだと言っていた。
確かに、医療に関わる人達が「Wi-Fiの不調について患者から聞き、問題箇所を突き止め、業者に連絡をして、修理業者を受け入れて作業時の衛生管理をチェックして…」なんて面倒なことができる雰囲気ではない。新型コロナの病棟ではないにしろ、いろいろとぴりぴりしていた。
知人はそれでも、元気にしていた。
こういうクリーンルーム的な病棟だから、普段は見舞いに行きづらい。予約も要るし、家族や親しい人達が優先される。だから今日、会えてよかった。
ちょっと待ち時間ができたので、浅間通り商店街を散歩した。
そして、YouMe&Cookies Bikini にてクッキーサンドを買って、歩きながら食べた。
基本のクッキーサンドは、いわゆるラムレーズンサンド。
今日買ったのは、栗とレモンという珍しい組合わせの品。
栗のペーストは、モンブランのそれによく似ている。
とろりとした透明なものが、レモン味の元だ。強い酸味と香り、甘みがある。
これは、今まで食べたことがない味だった。
栗の「木っぽさ」とほくほくした風味、たぶん栗好きな人が好む味わいに、なぜかレモンの酸味が会うのだった。
とにかく、不思議で面白くて笑ってしまった。
お店のInstagramで知って、これ1つだけ買ったのだが、他のものと食べ比べをしても良かった。
誰かに食べさせて、感想を話し合いたくなるクッキーサンド。自分には身近にそういう無邪気に甘いものの話をする相手はいないけれど、それはそれとして楽しい味。
世界は広く、食べ物の組み合わせもまた多い。良い経験ができた。
*1:他の階へも行けるが、使わないルールになっている