昨日の日記に書いたとおり、静岡県掛川市の「掛川花鳥園」に行ってきた。
ずいぶん昔に行った記憶がある。
まだ、動物を扱う民営の観光施設は、子供の目から見ても薄汚くて残念な場所がほとんどだった時代だ。
今は綺麗になったと聞くし、ハシビロコウなどの「スター」もいる。
ならば行ってみようではないか、と人が少ない平日の昼間に訪れることにしたのだ。
確かに綺麗になっていた。
鳥が放し飼いになっているので、どうしても床に糞が落ちる。
しかし、数分も経たずにモップや電動モップマシーン*1で掃除が行われる。木や池の清掃も行き届いている。
大半を占める熱帯の鳥エリアは温室だが、完全空調下で過ごしやすい。マスクをしていたせいか、匂いも気にならない。大阪の「ニフレル」ほどではないけれど、多くの動物園の「ふれあいコーナー」より清潔かもしれない。
鳥達は、とても人に慣れている。
たくさん放たれているインコやオウムは、当たり前のように肩に乗ってくる。
カメラのファインダーを覗いていると、すぐ横にフラミンゴがぴったり身体を寄せていてびっくりした。
しかし、これはなかなか楽しい。
南米旅行中に見た鳥が、腕や頭に乗っているのだから変な感じだ。かの地では自然保護ルールで触ることができなかったけれど、ここでは餌もあげることができる。
ただし僕は、餌はそれほど買わなかった。
1人だから盛り上がることもできない。写真も上手く撮れない。
それに、餌が無くなると、途端に飛び去ってしまうので「餌の切れ目が心の切れ目」な感じが寂しいのだ。それならば、最初から餌無しでいて、自然に近寄ってくる(純真無垢な)鳥たちを相手にしているほうが、心が安らぐ。
温室の外には、大きな池があって水鳥が飼われている。ペリカンもいる。
さらに、エミューの放し飼いエリアでは、柵の中に入ることができる。走り回っていて、少し怖いが迫力はすごい。
目立たないところには、カニクイワシ*2もいる。もっと表舞台に出てほしい、素敵な生き物だ。ずいぶんと暑い日だったけれど、なんだかのんびり過ごしていた。
花鳥園というだけあって、植物も立派だ。
この掛川花鳥園は、温室で育てる類の植物が見ものとなっている。
今だけなのか常設なのか、着生ランや食虫植物があちこちにあった。
吊り鉢の多肉や花も、とても綺麗。
鳥はなんだか苦手だけど…という人も花は楽しめるはず。しかし、おそろしいほどの鳥密度だから、だんだん嫌になってきて途中退出する人もいた。そういう人のためのショートカットルートがあるのだ。
自分としては、オオハシの類をたっぷり見ることができたのが収穫だった。
図鑑で見た細い舌も、間近で確認できた。
もちろんペンギンもハシビロコウ(ふたばさん)も良かったが、個人的にはオオハシが最高。
スタッフが楽しそうだったのも印象に残っている。
身振り手振りを交えて、鳥たちに声をかけていくのだ。それできちんとハシビロコウなどが反応するのだからおもしろい。
子供の頃の印象を覆す、素敵な施設だった。
「iZoo」や「伊豆シャボテン動物公園」とよく似た、動物好きに希求して成功したパターンだと思う。
なるほど人気が出るのもよくわかる。
フクロウの数羽が引っ込められていたから、また彼らが元気になった頃に再訪しようと思う。