所用で清水区に行く。
行き先の途中に気になっていた農協のお店*1があったので立ち寄ってみる。
ここはかき氷が有名。というか他に店内で食べるものはあまりない。
イチゴ、みかん、そして緑茶が特産品の土地だから、かき氷もイチゴやみかんやお茶を使っている。
凍らせたイチゴ、みかんのかき氷は、午後2時の時点で売り切れだった。
なので地場産品のブルーベリーとミルク氷を使った品を選ぶ。
個人的には、このミルク氷というものがそれほど好きではない。
牛乳と砂糖を加えて作った氷を削ったものだけれど、僕がかき氷に求めるさっぱり感が薄れてしまうように思える。もちろんミルク感そのものは悪くないのだけれど、それは自分のペースで加糖練乳で足せば良いではないか。
今回は甘みの強いブルーベリーとの組み合わせということで、かなり大甘な感じだった。損をした気はしない。でも、他の品にすれば良かったのではないかと今も少し後悔している。紅茶*2を使ったかき氷などのほうが、この店らしさは楽しめたかもしれない。
そういう小さなもやもやがあったことは確かだが、なにしろ好物のかき氷、しかも普段はまず選ばないブルーベリー味を楽しめたことだけで満足。
そういえば、この施設は農協の経営ということで、特産品の緑茶が1杯、どのメニューにも付いてくる。1杯分の冷茶でも、きちんと急須に入っているのが嬉しい。
しかしこの緑茶について、良い反応をしない(婉曲な表現)ファミリーがいて、ちょっと店内が変な空気になったのだった。
「緑茶っスか?要らないんだけど(笑)」
「コーラあるから飲まない」
「カフェインだし、歯に色素が付くし」
お茶なんて要らないから安くしろ、とまでは言わないが、この言い分は緑茶県である静岡においては暴論である。僕なんて静岡県に籍を戻した時には、市役所で深蒸し茶を2Lほど点滴したくらいだ。心も身体も日常生活も緑茶漬け*3、それが静岡県民なのである。
あるいは、彼らヤンキーファミリーは、そうした日常の飲み物だからこそ、馬鹿にしていたのかもしれない。
接客に当たった若いスタッフは見るからにぼんくらで、BOOKOFFを思わせる甲高い声で「メニューにあるものは決まりで無しにはできないですよう」と繰り返すばかり。
残念ながら最後まで見届けずに店を後にしたのだが、おそらくはベテランの店員さんが上手に収拾したのだと推測する。あのファミリーだって、単に「店では好き勝手に振る舞いたい」だけの人達だろう*4。そういう人は、田舎には珍しくない。
彼らの乱暴な言葉遣いや大声よりも、僕はその状況そのものに興奮してしまった。
「料理マンガの世界だ!」と思った。
お茶をテーマにしたマンガでもいいし、もちろん「美味しんぼ」でもいい。
マンガならば、あのファミリーはきっと、最後にはお茶が大好きになっているだろう。「まったくもう。調子いいんだから」「ははは。静岡の緑茶は最高だよ」「ポリフェノールもたっぷり。コーラなんてトイレに捨てちゃおうよ!」
こんな県に住んでいます。
好きでも嫌いでも、緑茶が生活に食い込んでいる土地。香川県の讃岐うどんとは違うけれど、まあいいんじゃないでしょうか。