長野県に住む友人たちに小包*1を送ることにした。
梱包は昨晩に済ませ、今日は窓口で料金を教えてもらう。
その料金分の切手を、切手ファイルから選んで並べる。
学生時代から、記念切手の類を買っている。
定期的に、という程でもない。好きなデザインや企画のものがあったら、その時だけ購入する。例えばふみの日のディック・ブルーナ切手がそう。他にも、好きな漫画や映画、絵本の切手も買うことがある。動物系も多い。年賀はがきや年賀切手を交換した、半端な額の普通切手もそれなりに持っている。
切手コレクターではなくて、雑貨を買うような感覚で、半ば衝動的に買った結果が、僕の切手ファイルである。
しかし成人男性が切手を使う機会は少ない。
少なくとも失業中に履歴書送付用に使うのは躊躇われる。99%、人事担当者の目に留まることは無いにせよ、タイムボカンシリーズの切手を1%の危険性*2に賭ける理由もないから。
そんなわけで、僕の切手ファイル*3は充実している。
だからこそ、今日のような機会を逃さず使う。現金*4をわざわざ使うのは勿体ない。
とはいえ、今は切手用の濡れたスポンジが、郵便局内には置かれていない。
おそらく疫病対策だろう。
だから切手と小包を、揃えて窓口に出すことになる。
こういう場合、郵便局の通常の対応は「切手を料金として収納し、小包には貼らない」である。切手を貼り、判を押す手間が省ける。料金レシートを出せば完了する。
しかし今日の窓口担当の方は、僕の出した様々な切手を見て「これ、貼りたいですよね」と気づいてくれた。900円と少しの切手、10枚以上はある。それぞれ形も色も違う。ならば貼って、小さな小包の箱をカラフルに彩るのも素敵ではないか。そう考えてくれたのだった。
僕は公務員に、ここまでのサービス心は求めない。
「実は、ぜんぶ貼りたいのですが…」と、僕が相談するべきだった。
でも相手が気づいてくれた。「貼りたいですよね」と言ってくれた。
「わかってるじゃん」と思った。カウンターにビニールの仕切りが無くて、相手のノリが良ければハイタッチしていたかもしれない。
雑貨としての切手について、意外と鈍感な人が多い郵便局。今日のあの人は素晴らしかった。
素敵な貼り方をしてくれると期待している。
それが今日の出来事。
他はまあ、それなりに過ごした。図書館に本を返却し、実家に電話をして、洗濯物を畳んで、読書をした。おやつには先日焼いたパウンドケーキを食べた。夜はiMacで少し作業をした。そして今から寝る。
平和な1日が終わった。引っ越しまで1ヶ月を切った。なんだか落ち着かない。