一昨日の日記に書いたように、四国からいずれ離れることにした。
となると、心残りは減らしておきたい。
でも、今の状況で行ける場所はとても少ない。動物園や水族館が閉まっていること、県境をまたいだ移動は自粛していることが、自分の選択肢を狭めている。
COVID-19の感染者は減っているし、香川県での新規感染者は発生していない。しかしその原因がまだわからない。せいぜい「マスク・手洗い・適切な距離の徹底」と「一時的に社会と経済を止めたから」程度の推測しかできない。
だからいきおい、自分も気を緩めて遊ぶ気分にはなれないのだった。
となると、近所で気になっていた店を(細心の注意を払いつつ)訪問することになる。
今日は「元祖わかめうどん大島屋」へ行ってみた。
ここは自転車で行ける距離にあって、でも普段は通らない道。
そもそも「わかめうどん」に元祖なんてあるのかと、印象には残っていたのだ*1。
なにしろ、セルフサービス方式の店では、わかめが天かすやネギと同じく取り放題の店すらあるのが、ここ讃岐の地である。
とにかく何であれ、始まりはある。ならばその始原たるわかめうどんを食べてみようと考えたのだった。
その「元祖わかめうどん」とは、これ。
画像を見ればわかる。わかめを練り込んだ、讃岐うどんだった。
初めは正直、がっかりした。ただのオリジナル商品じゃないか、と。
味だって、わかめを練り込んだ讃岐うどんそのもの。特別なおいしさがあるわけでもない。普通においしい、でも同業者は手間もかかるし製法特許侵害までして真似はしないから一般化しない、そういう品だ。
ちなみに白いほうは、米粉を使ったもの。
この店は、この元祖わかめうどんと、日替わりオリジナルうどんの2種が、こうして盛られるのが基本となっている。
この「ざるうどん」、甘めのつゆに浸して食べるとあっという間に食べ終えてしまう。量が少ないわけではないが、セルフ式の店と違い、サイドメニューの揚げ物が無いのだった。定食(うどん+ごはん+おかず類)や、サイドメニューとしての米飯類(ちらし寿司など)はあるけれど、僕は麺と米は一緒に食べる習慣が無いので、なんだか寂しい感じがする。おでんもあったが、なんとなく食べる気分でもなかった。
しかし食べていると、これはこれで楽しくなってくる。
「なるほどー」「こうきたかー」と、この土地の「讃岐うどんシーン」の多様性、豊穣さが嬉しくなるのだ。こういうオリジナリティもまた、日本一の郷土食たる所以だろう。役所の観光課が定めた「B級グルメの条件」とは違うのだ。
旅行中だったら、もう1店、無理をして別の店にも行っていただろう。
「せっかく香川に来たのだから」と、別の店でおいしくてスタンダードな「小サイズ」を注文し、満腹になっておやつを食べそこねる。しかし僕はこの地に住んでいるので、そういう無茶はしない。代わりに、帰宅してから野菜ジュースと小松菜のサラダと豆乳で、栄養を補った。
これが今日の昼ごはん。外食ともいえない、軽い食事。
天気も良いし、読書も捗った。ガソリンも入れたし、タイヤの空気圧も高めにした。いくつかさぼった家事もあるけれど、まずまずの火曜日だったと思う。
*1:そういう場所をグーグルマップに記録するのが習慣になっている。