所用で高松市の中心街へ行く。
久しぶりに書店「ルヌガンガ」に顔を出す。
ずいぶん自分の事ばかり話してしまった気がする。ちなみに、書いたかった本はまだ入荷していなかった。予約のみ行う。
近所のミニシアター「ソレイユ」は閉館中。高松唯一のミニシアターだから、どうにか持ち堪えてほしい。
街はなんとなく”ものものしい”雰囲気。
マスク姿が大多数なだけではなくて、人の数が少なく、どことなくひっそりとしている。遊びで出歩く人がいないと、ここまで街の空気が変わるのか。
昨晩の都知事の記者会見(自分はYou Tubeの生中継を見た)で言っていたとおり、讃岐うどん屋が水商売と同じく「要自粛の対象」となりそうだ。冗談みたいな話だが、これは地元民にとっては、かなり真剣な悩みとなる。
なにしろ、わざわざ県外から食べに来るほどのブランド郷土食である。
そして、地元の人にとっては、外食というより台所の延長、台北やフィリピンの屋台のような「日常の選択肢」になっている。
もちろん食べ歩きの楽しみとして、家族やカップルで有名店に行く人達もいる。
だから、田舎にぽつんとある小屋みたいな讃岐うどんの店に、県外ナンバーの車と、地元の軽自動車が並び、そして店に並ぶ列には観光客と地元民と近所の老人が混ざる。
だからこそ、特に県外からのCOVID-19の感染持ち込みを局限するための、自粛なのだと思う。先週初めくらいから「あの店には大阪ナンバーの車が来ていた」なんて文句があちこちであったと聞く。
しかも、行列ができない、そのへんにある店の多くがセルフ式だ。
小皿とラップフィルムを活用しトングを使わない、席の間隔を開けるといった対策を初めた店もあると聞いた。しかしそもそも、小さなお店が多い。
どうにかならないものか、と皆が考えているはずだ。
自分もこの土地に住んで、その生活との密着具合は実感している。たぶん外から見た以上に、ここでは当たり前なのだ。コンビニより多いのは伊達じゃない。
そしてこのように「自粛」の話を聞いた後にようやく、讃岐うどん店が、ミニシアターやライブハウスのように「守らないと簡単に消える存在」だと実感している。今日は、「まさか讃岐うどん店が閉まるなんて…」という話を1日に何度もしている。
「うどん県」を自称し、観光資源としてここまで活用してきた香川県である。
伝統芸能のように、特別扱いの休業補償をしても良いのではないか、とさえ僕は考えている。
それじゃあ他の名産品はどうなるのさ、と話を広げていくときりがない。
でも自分は、ここまで地域密着かつ日常的で、そして県外にも知られる郷土料理を、他に知らない。
昼からは、食料などの買い出しに郊外に車で出かけた。
なんとなく「金沢へは、あと何回か旅をしたいな」と考えていたときに*1、なんと「ゴーゴーカレー 」を見つけた。四国でゴーゴーカレーなんて、初めて見る。東京なら驚かないが、香川県に出店しているとは予想外だ。
ちょうど、自分以外の人が作った手軽な料理を食べたい頃合いだったため、遅めの昼食を済ませることにした。幸いなことに、店内はほぼ空席。
スタンダードなトンカツの乗った品を注文。自分でキャベツを盛ることができる。
カレーも、ご飯も、量が多い。濃い味付けのカレーだからキャベツがとても合う。もっとキャベツを盛りたかったが、器の形状から限界がある。サラダバーが欲しくなる味。
金沢旅行中に1回食べた時もそうだったが、今日も満腹となった。
夕食をヨーグルトと人参サラダで済ませたくらいの満腹度。
要はカツカレーとはいえ、自分では絶対に作れないタイプの料理だから、食べることができて良かった。自分で決めた「外出制限ポイント」の今週分は、かなり使ってしまったけれど、それでもこの選択は良かったと評価している。