停電とマトリョシカ

朝食の時間に停電があった。
外を見た限り、隣のアパートは普段どおり。
でも向かいの住宅地は電気が消えていた。なぜか用水路と道路を挟んだ、少し離れたアパートも真っ暗になっていた。

 

停電の夜に (新潮文庫)

停電の夜に (新潮文庫)

 

 

原因はわからない。とりあえず電力会社に報告をしていたところで復旧した。
午前中には電柱に登ってなにやらチェックをしていたけれど、今に至るも電力会社からの連絡は無い。瞬間停電にしては長い時間だった。
同じアパートの住人は「地震があった。灯油ストーブが自動停止していた」と言うけれど、記録を見る限りでは地震なんて起こっていない。関係ないけれどこのアパートは灯油ストーブは使用禁止だ。

そんな、おかしな停電。朝の忙しい時間に迷惑なことである。

 

 

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おかしなこと、といえば部屋にあったマトリョシカが割れていた。
いつ割れたのかは記憶にない。
引っ越してから出窓に飾りっぱなしになっていた。
毎日マトリョシカをチェックしているわけではないのだ。
とはいえ掃除だってするし、晴れていればカーテンも開ける。
たぶんここ数日のうちで割れたのだと推測する。

しかし(停電と同じく)この割れた原因もわからない。倒れたわけでも落としたわけでもない。ただ、上半分がぱかりと割れていた。

原因究明も良いが、まずは修理をする。
アメリカ製の強力耐水木工ボンドがよく効いた。ほとんど跡も残らない。

 

 

修繕後に気づいたけれど、割れてしまったいちばん大きな外側の中身、2番めに大きなマトリョシカの塗料が変な具合に剥げている。頭の部分の塗料が擦れたように消えてしまった。さらに不思議なことに、塗料の破片も見つからない。

なんだかおかしな事が立て続けに起こっている。
これが「真っ黒な猫がやってきて『近いうちに災いがあるだろう』と言った」とか「自転車置場に口裂け女が立っていてブレーキに細工をしていた」だったら、明らかに「ああ、不幸な超常現象だな」とわかるのだが、あいにく現実はもっと地味だ。

とはいえ無印良品も言っているように、地味でも平穏ならそれは幸せというもの。マトリョシカが直ったし、家電も被害が皆無だから、今日の色々はこれでおしまい。

どちらかといえば家の外、社会がざわざわする感じが嫌だ。
商店街に人は少なく、色々な催しものが中止になり、ドラッグストアではなぜか漢方薬の「麻黄湯」が売り切れとなっていた。
トイレットペーパーはようやく「買い占めは、社会的な悪徳である」と認識された様子。先週に買い占めた人達は、そのままストックにして、買い控えを”自粛”してほしい。それが唯一の贖罪ではないか、と考えている。いつか来る、本当にトイレットペーパーが足りなくなる日のために備えるのならば、この馬鹿騒ぎも報われるだろう。