停電とマトリョシカ

朝食の時間に停電があった。
外を見た限り、隣のアパートは普段どおり。
でも向かいの住宅地は電気が消えていた。なぜか用水路と道路を挟んだ、少し離れたアパートも真っ暗になっていた。

 

停電の夜に (新潮文庫)

停電の夜に (新潮文庫)

 

 

原因はわからない。とりあえず電力会社に報告をしていたところで復旧した。
午前中には電柱に登ってなにやらチェックをしていたけれど、今に至るも電力会社からの連絡は無い。瞬間停電にしては長い時間だった。
同じアパートの住人は「地震があった。灯油ストーブが自動停止していた」と言うけれど、記録を見る限りでは地震なんて起こっていない。関係ないけれどこのアパートは灯油ストーブは使用禁止だ。

そんな、おかしな停電。朝の忙しい時間に迷惑なことである。

 

 

https://www.instagram.com/p/B9g5aJyJClc/

 

おかしなこと、といえば部屋にあったマトリョシカが割れていた。
いつ割れたのかは記憶にない。
引っ越してから出窓に飾りっぱなしになっていた。
毎日マトリョシカをチェックしているわけではないのだ。
とはいえ掃除だってするし、晴れていればカーテンも開ける。
たぶんここ数日のうちで割れたのだと推測する。

しかし(停電と同じく)この割れた原因もわからない。倒れたわけでも落としたわけでもない。ただ、上半分がぱかりと割れていた。

原因究明も良いが、まずは修理をする。
アメリカ製の強力耐水木工ボンドがよく効いた。ほとんど跡も残らない。

 

 

修繕後に気づいたけれど、割れてしまったいちばん大きな外側の中身、2番めに大きなマトリョシカの塗料が変な具合に剥げている。頭の部分の塗料が擦れたように消えてしまった。さらに不思議なことに、塗料の破片も見つからない。

なんだかおかしな事が立て続けに起こっている。
これが「真っ黒な猫がやってきて『近いうちに災いがあるだろう』と言った」とか「自転車置場に口裂け女が立っていてブレーキに細工をしていた」だったら、明らかに「ああ、不幸な超常現象だな」とわかるのだが、あいにく現実はもっと地味だ。

とはいえ無印良品も言っているように、地味でも平穏ならそれは幸せというもの。マトリョシカが直ったし、家電も被害が皆無だから、今日の色々はこれでおしまい。

どちらかといえば家の外、社会がざわざわする感じが嫌だ。
商店街に人は少なく、色々な催しものが中止になり、ドラッグストアではなぜか漢方薬の「麻黄湯」が売り切れとなっていた。
トイレットペーパーはようやく「買い占めは、社会的な悪徳である」と認識された様子。先週に買い占めた人達は、そのままストックにして、買い控えを”自粛”してほしい。それが唯一の贖罪ではないか、と考えている。いつか来る、本当にトイレットペーパーが足りなくなる日のために備えるのならば、この馬鹿騒ぎも報われるだろう。

 

 

 

t_ka:diaryは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。