退職に関する書類手続きの関係で、社労士事務所の人が来てくれた。
独り暮らしのアパートでこの土地には友人もいないから、部屋に人をあげるのは本当に久しぶり。
書類が揃うまでほとんど求職活動もせずのんびり過ごしている、と先日電話で話したので、心配してわざわざ様子を見に来てくれたのだろう。のんびり、と言えば聞こえは良いが、状況としては無職で引きこもりである。
書類だけなら郵送で済む。自分が事務所に取りに行ってもいい。
辞めた後の人間に対して、社労士事務所がやることは、まさに書類仕事だけなはずだ。
この人は、こういう小さな手間をかけるところ、仕事としては過剰なところがある。仕事で関わっている時からよく見聞きしていた。
でもだからこそ、この人にとっては「天職」なんだなあ、と思う。
勢い余って過剰になるくらいだからこそ、社会保険労務士なんて難しい仕事を長く続けられているのだろう。
とにかく来客である。電話から10分で来たのでびっくりした。
静岡茶を淹れ、静岡銘菓「8の字*1」を出す。そして、書類の説明などを受ける。
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部屋が片付いている事について、とても驚いていた。
ちょっと失礼なくらいに、整った部屋について話題にする。
社労士の常識としては、上記の様な「退職後の引きこもり」状態の独身男性というのは、部屋が荒れるのが当たり前なのだと言う。
自分の場合は、
- 時間が余っていること
- 掃除ロボット(ブラーバ)稼働の為に床に物を置けないこと
- 家具や装飾が少ない(来客や家族を想定していない)こと
- 1人用アパートの割にクローゼットが大きいこと
- 日々の清掃を想定した家具配置・生活習慣を保っていること
が理由だと考える。
1.が目下のところ最大の理由なのだろう。
しかし基本的には「生活を整える仕組み」を引っ越し段階から整えてきたことが、今のこの“荒れていてもおかしくない日々”に、社労士さんが驚く程の効果を発揮しているのだと思う。
要は、余裕のある時に作り上げた「生活を整える仕組み:システム」が今も自動稼働しているのだ。
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いや、引っ越しもその前後も本当に色々と大変だったが、でも見知らぬ土地で独り暮らしを始めることは楽しみだったし、やるならばきちんと考えて手を抜かずに生活を作り上げよう、と最初から決めていた。もちろん失敗も多いし、計画通りに行かない部分もあるけれど、今のこの状況において、それなりに整った生活ができていることは、とりあえず僥倖といえよう。
もちろん、ここまでの仕組みを作り上げるにはそれなりの投資(金銭以外の時間等も含む)が続けられてきた。
つまりは、この「生活を整える仕組み」は貯蓄のようなものなのだ。
貯蓄ということは、いずれ尽きる。
仕組みというものは損耗するのだ。
そして、今は紛れもない消耗戦となっているわけで、そろそろ本気で動き始めないと困ったことになってしまう。
計算上はまだまだのんびり暮らせるのだが、何しろお金の計算が苦手な自分の見積もりだから信用ならない。それに新しい勤め先がすぐに見つかるのかもわからない。
油断大敵、でもとにかく、今は(社労士さんが驚くほどに)丁寧に暮らしている。
しかし自分は基本的に怠惰な人間である。
それは社労士さんが危惧した通りで、明日だってたぶんまたのんびりと過ごしてしまうわけで、言い訳なんてできない。
例えば、昨日まで1週間くらい、夏服と冬服の入れ替え(クローゼット内)を放置していた。着替えのたびに気になっていたけれど、不便なだけで、生活はできてしまう。
でも、さきほど入れ替え作業を始めたら、20分で終わってしまった。そういえば、入れ替えと整理が簡単に終わるように、引っ越しの時にひたすら考えたのだった。半年前の自分にお礼を言いたい。あの時は元気だった。丁寧を貯めておいてくれてありがとう。
*1:先月に夏の服などと共に、実家から送られてきた。