ガラパゴス旅行記 旅の終わりは昔のことばかり思い出す

良い旅だった。
きっと一生の思い出になる。
いつの、どんな旅行でも特別だけれど、2018年10月30日に始まって11月6日に終わったこの旅行は別格だろう。

今は成田空港に向かう飛行機の中。
しみじみと、そして何度も同じことを考えてしまう。
「動物好きで、良かった」
そういうシンプルな感想が、ウミイグアナやサメやオットセイやゾウガメやグンカンドリを思い出すたびに頭に浮かぶ。
それ以上の難しい考えがまとまらない。

 

N・P (角川文庫)

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小さな頃から動物は好きだった。
小児喘息だったこともあって、犬や猫を家族にすることは無かったが、興味の対象として虫もトカゲも何だって好きだった。
色々な生き物を飼ってみた。捕まえた。図書室にある図鑑はどれも愛読書だった。
夜8時には寝るきまりだった我が家でも、生物に関する番組だったら最後まで観ることを許されていた。
ドキュメンタリーでも、芸能人の出るクイズ番組でも、とにかく動植物ならオーケー。
それだけ霧中だったのだと思う。
両親に感謝したい。

小学生の時、何年も続けて同じ担任となった先生がいた。
彼は理科が専門で、授業がとても楽しかった。
世界の色々な出来事と教科書と討論と実験を結びつける授業は、僕の「理系」な部分の礎となっている。
「飼育係」にも積極的に関わってくれた。
図画工作の授業でさえ、生物の構造(花でもニワトリでもヒトでも)へと考えを至らせてくれた、本当に良い先生だった。
彼にも感謝している。

高校では生物部に所属した。
「究極超人あーる」みたいなゆるい部活だったけれど、生き物を育てることに関しては徹底してシリアスだった。
自分が部長となってからも、先輩諸氏と、それから優秀な後輩と、あちこちの生物を捕まえて、調べた。
良い部活だった。

 

 

大学は理工学部に進んだ。
勉強が苦手な大学生だった。よく卒業できたものだと思う。
所属した研究室では魚を沢山飼っていた。今でも同窓生との交流は続いている。

卒業してからも何かと縁が続いている先輩がひとり。
彼は大学に残り、今は教員として動物と人間との関わりについて研究している。
動物園と水族館巡りがここ10年の趣味となったのは、紛れもなく彼の影響だろう。
たぶん、この先輩がいなければ、ガラパゴス諸島へ旅をする、という発想は具体化しなかったと思う。
ずっと「TV番組の島」だった。
感謝している。

 


先月に仕事を辞めた。
そして、次の勤め先を決めた。
前職の社長も、それからこれから働く先の社長も、この旅には大賛成してくれた。
というか「借金をしてでも、行け」と、背中を押してくれた。
自分としては「再就職までの間に期間が欲しい」と相談しただけなのだが、
「カメラを貸そうか?JALやANAなら株主優待券もある。金はもちろん無利子だぞ?」と、過剰なくらいの気遣いをしていただいた。
結局、何も借りなかったが、それでもこの貴重な“時間”は彼らが作ってくれたのだ。
大いに感謝している。

 


動物好き、植物好き、動物園と水族館が好きで、ひとりで気ままに旅をするのも大好き、そういう諸要素だって、自分だけで積み上げてきたわけではない。せっかく旅をしたのに、そんな当たり前のことだけしか気づかない。でも楽しかった。


ガラパゴス諸島への道を敷いてくれた多くの人達と偶然に、お礼を伝えたい。
旅に関わった人達とは別に、そう思う。

お題「どうしても言いたい!」

お題「今日の出来事」

 

雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)

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辺境・近境 (新潮文庫)

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