父の知り合いが、「ボラ」をくれた。
釣ってきた、とのこと。まだ生きている。
ボラは不味い、と子供の頃から聞いてきた。意外と美味い、なんて話は一度も耳にしたことがない。そういう魚も珍しいかもしれない。
しかし瀬戸内を旅した時は魚屋で売っていたし、三重県でもスーパーマーケットで見かけたことがある。なんとなく「西の魚」という印象。
ともあれ、締めて、三枚に下ろす。
だいたい65cmくらいか。なかなか大きい。皮なのか粘液なのか、ちょっと臭いとべたつきが気になるので、鱗を落とし解体(?)するまでは、庭で実施。
よく臭みが話題になるが、この個体に関してはそれほど気にならない。船釣りの外道だったから、だろうか。
それでも、内臓や皮は少し放置しただけで、独特の臭気がした。庭に穴を掘って埋めたから大丈夫だが、翌日がゴミ収集日でも、あるいは冷凍保存しても、気になる人は苦手かもしれない。
きちんと鱗取りをすれば、きっと皮ごと煮付けにできるだろう。
今日はその作業が面倒だったため(外は蚊が飛んでいるのだ)、皮は剥いでしまった。でも皮を珍重する、と聞いたこともあるので、ちょっと勿体なかったかもしれない。
とにかく身だけを煮付けにした。
醤油と酒と生姜と、隠し味程度に赤味噌。酒は多めで、醤油は控えめ。塩も使った。葱とマイタケもさっと煮て添える。
さっぱりした、悪く言えば特徴の無い、良く言えば食べやすい、普通の煮魚になってしまった。
これも瀬戸内の(つまり瀬戸内国際芸術祭2016の)思い出なのだが、あの時はちょっと変わった名前の、磯に住む魚を何度か食べた。黒鯛とかメバルの系統の一族。静岡では見かけない魚ばかりで期待しても、だいたい似たような味わいとほんの少しの臭みで、がっかりこそしないが拍子抜けした記憶がある。あの魚達に似ているかもしれない。
切り身で、刺身で、ストックで… サルビア給食室のやさしいお魚料理 新版
- 作者: ワタナベマキ
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2017/06/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
手間まで考えると、またぜひとも味わいたい、という魚ではなかった。しかし面白い経験になったし、子供の頃から見馴れていた魚を食べるというのも、なかなか出来ないものなのだ。
解体に関しては、隣の家のちびっ子が見学してくれた。ご両親と話したら、食べてみたいと言うので半分あげた。塩焼きにして食べたら美味しかった、とのこと。
まるっきりボラとは関係無いが、先日から「BIS ビブリオバトル部」シリーズを読んでいる。とりあえず「翼を持つ少女」から。
ややお説教くさいのも持ち味か。王道の青春もの+オタク世界の面白さ紹介、なのだけれど、後半からぐぐっと盛り上がってくる。今まさにその、盛り上がったところなので、そろそろ読書に戻ろうと思う。