野菜の甘み、プリンの甘味。

野菜の甘み

友達と会食。
山奥の民家改造カフェ、みたいなところに行った。
大きなテーブルに全てのお客さんが座るスタイル。いわゆるオーガニックでロハスナチュラルで手作り志向のお店なのだが、素人が夢だけで推進しているというのか、あまり上手く“回転”していない。そのしわ寄せが客側に伝わるのが困りもの。同じ頃に入店したのに、僕が食べ終わる頃に汁物とごはんだけしか届いていないグループもあった。なにしろ同じテーブルだから、こういうのは目立つ。

でもひとつ面白いことがあった。
焼いた野菜(茄子とカボチャとズッキーニとオクラ)が、なんだかとても甘かったのだ。僕は野菜の甘みがそれほど好きではないから、たぶん敏感なほうだが、いわゆる“野菜の甘み”とも違う気がした。でもメニューにも「本物の野菜は甘い」みたいなことが(やけに抑揚のある筆書きで)書かれていたから、そういうものかな、と思って食べた。
隣に座った人は、お店の人に質問していた。
「本当に甘いんですね。わたし初めてです、こんな甘い焼き野菜!」
それに対するスタッフの返答、
「ええ、砂糖水をかけて焼くんです。きび砂糖の。焦げやすいんですよー」
へー、って思った。
質問した人は、ちょっと複雑な声を出していた。
こういうお店で、砂糖をかけて焼くというのは、たぶん珍しいし、ある種の冒涜に当たる気がする。
僕なんかは、きび砂糖だろうが、てん菜糖だろうが、主成分は同じで、しかもばっちり有機物だからオーガニックでいいじゃないか、と思うのだけれど、そういうものを求めない人のほうが多い気がする。素のまま、を尊ぶ人達だからこそ、民家改造で麻布とドライフラワーと古い琺瑯容器を使う店を好むのではないか。
とにかく、お店の人が悪びれないで語った、というところが良かった。
電子レンジの電磁波がガンの原因、みたいなトンデモ本を置くお店にも、小さな変化(変異?)が色々あるのだ。今のところはばたばたした残念なお店だが(だから店名は秘す)、こういう人達が突破口を開くのではないだろうか。難の突破口?と聞かれると答えづらいのだが、数年後には砂糖水を塗ったズッキーニがナチュラルフードになっているかもしれない。
進化は変異の積み重ねである。大切なことだ。

 

 

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

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素数ゼミの謎

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スマートフォンの使用開始

先日購入したスマートフォンHUAWEI Mate9」は、さんざん書いたように、「新しいデジタル機器を導入した時のわくわく感」に欠ける。外観が似ていて、OSだって同じAndroid、しかも更新の理由が故障による買い換えである。
でもまあ、ぽちぽちと様々な設定やカスタマイズを進め、日常使用に不自由しない状態になった。
今日は初めて外に持ち出した。
昨晩、さんざん使って、1回も充電せず、今日だってそれなりに使用したのに、電池残量がまだ半分以上残っている。使い勝手を犠牲にするようなユーティリティや設定は、まるでしていないのに、だ。
まあ、正当な進歩と言ってしまえばその通りなのだが、ようやく新型であることを実感できたので、ちょっと嬉しい。

あまりに見た目が同じだから、画面構成は変えてみた。壁紙とかアイコンとか、ちまちまっとシンプルに。がちがちにカスタマイズ、は嫌だから、あえて中途半端に。こういうのは凝り出すときりがないし、凝っても格好良くはならないので、時間を区切るのが大切。僕はとりあえず15分で終わらせた。

 

 

 

プリン

そしてMate9はダブルレンズの(しかもLeica監修)カメラが付いていて「ワイドアパーチャ」なる機能が使える。要は撮った後でも被写界深度が操作できる機能。後で操作できる事よりも、スマホの小さなカメラでボケ味のある撮影ができるのが面白いし嬉しい。
というわけで、撮ってみた。

https://www.instagram.com/p/BY2nvtKnYlT/

これはおやつに食べた、プリン。
藤枝市にある「珈琲の坩堝」というお店のメニュー。コーヒーもなかなか美味しい。プリンはちょっとかための、昔っぽいタイプ。僕は好き、でもメニューに「かためのプリン」って書いてあるのは、正直なところ苦手だ。もちろん「プリンください」でも注文できるのだが、つまりこれは「いらない主張」に見えてしまうのだ。「シェフの気まぐれサラダ」みたいなものです。
ぱしゃっと撮って満足したけれど、さくらんぼの柄はボケているし、もう少し丁寧にしたほうが良さそう。たぶん次からは綺麗に撮れるだろう。

 

 

さて今日は、やりたい事が何一つ上手く行かない、せいぜいプリンが美味しかった程度の冴えない1日だった。
こういう時は寝るに限る。可能なら早く起きる。ある種の「損切りの局面」なのだ、たぶん。

 

東京無国籍少女

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