仕事中の雑談に影響されて、発作的にアイス最中を食べたくなった帰路。コンビニエンスストアに立ち寄り、抹茶味のそれを購入した。
味はまあ、予想の範囲内。満足した。
そもそもアイス最中を食べた記憶がまるで無くて、たぶん10年以上は空白期間があるから、比較も論評も無く、ただ味わうだけで十分なのだ。
でもその変化には驚いた。
まず品質は間違い無く向上している。最中の内側にはホワイト・チョコレートがコーティングされていて、最中の形と堅さを保っている。中に詰められているアイスクリームも適度な柔らかさで、しかも溶けて食べにくくなったような感じが最初から最後までしないのだ。購入してから自宅で食べるまで10分は経っているのに、立派である。
そして価格。
190円くらいした。
こういう、コンビニのケースで気軽に買うアイスというものは、せいぜい100円か、120円だと思っていた。190円だと、もっと露骨にプレミアム感を演出していた筈だ。それがコンビニ的な似非プレミアムだったとしても、とにかく日常のなかの小さな贅沢を提供する、そんな価格に近いのに、まるでそういう風情が無い。
考えてみたら、他のアイスも150円くらいは普通にしていた。
物価上昇は政府の狙い通りに推移しているという事なのだろう。でも、わが生活楽にならざりぢっと手を見る、そんな2017年である。
ともあれアイス最中は美味しかった。
また買うか、というと話は別だが、大昔のように食べているうちにべたべたに崩壊するリスクが無いようなので、もしアイスを買う機会があれば選択肢に入るだろう。
でも、そもそもというか何というか、僕はほとんどコンビニやスーパーでアイスを買わないのだった。
理由をきちんと書くと長くなってしまうが、つまりは「合理性の裏付けを持たない制限を設定することで、日常をある程度“剪定”する」ことが狙いだ。「試食コーナーはとりあえず避ける」「フードのある服は買わない」といった、制限ルールがあるだけで、無駄に悩む機会は減る。それで生活が貧しくなるわけではないし(総じて無駄遣いは減る)、今のところ不具合は生じていない。
合理性が無いということは、つまりルールを書き換える議論が発生しないことになる。ルールだから守る、という不合理さえ飲み込めば、それでオーケー。
物の価値が低くなった時代には、そこそこ有効な方法だと思っている。要は僕だけの個人的宗教であり、他人には絶対に押し付けないし、どうしても、という時にはルールは破るが(なにしろ根拠が無いから、破っても不都合なんてまるで無いのだ)ある種の枠は自由を生む礎になると実感できるので、おすすめです。根拠が無い、というところがポイント。
それではお風呂に入ります。そして寝る。
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