映画は「メッセージ」、ごはんは「ガパオライス」。

映画「メッセージ」を観た。
大好きな映画が、またひとつ増えた。

原題は「Arrival」。これでいいんじゃないかと僕は思うのだが、日本ではカタカナの「メッセージ」。
原作小説は「あなたの人生の物語(Story of Your Life and Others)」、翻訳SF小説にやたらと多い、妙な格好良さを持つタイトルである。
原作本そのままではたぶん映像化してもつまらなかっただろう。言語と認識と意思と愛情のお話。そしてファーストコンタクトのお話でもある。

言語は認識に影響を与える。これはわかりやすい。「憂鬱」を表す語彙に乏しい民族は戦争後遺症を長く抱えやすい、なんて話もあるし、卑近なところでも、「やばい」で全てを済ませている人は、本人の気付かない部分でコミュニケーション能力に難があったりする。つまり、その言語でなければ到達できない認識、は確かに存在する。言葉が世界を作る。

では認識と意思は世界を変えるのか。
これは想像の力を必要とする。
例えば時間が過去から未来へ流れていく、という因果は、僕達には自明の世界観だ。でも、それがたったひとつの真実なのか、という疑いを封じるのは(実は)とても難しい。過去現在未来という流れは、我々の脳機能や思考言語による、世界の一面だけではないのか。

なかなか面白い思索であり、SF小説では何度も取り上げられている。
ただし、映像作品では難しい概念だとも思う。“ものの捉え方で世界が変わる”ことが説得力を得る前に、もっと陳腐な印象に辿り着いてしまうのだろう。

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

この映画はその辺りを、ものすごく親切に、わかりやすく表現してくれる。字幕か台詞をきちんと頭に入れていれば、主人公が得る、一種超常的なその認識力の原因が理解できるようになっている。
これぞセンスオブワンダー!と嬉しくなる場面が何度も登場する。

もちろんそれはこの作品のひとつのピースでしかない。
SF映画史上最高レベルの「宇宙船」ビジュアルや、ファーストコンタクトから少しずつ進む相互理解、ちょっとした洒落っ気のあるやりとり、といった見どころが盛りだくさん。
硬派な題材と原作を、しっかりとした現代的娯楽作品に落とし込んでいて素晴らしい。
原作のファンならば、この大胆な脚色と、あえて現代(発表は10年以上前の作品)に舞台を移したことが英断だったと、感心するのではないか。
僕はすっかり魅了されてしまった。
全体に青っぽい落ち着いた画面と、不思議な音楽も良かった。
いわゆる豪華絢爛な大作映画なのだが、もう1回映画館で観てみたい、と思っている。

繰り返しになるが、良いSF映画でした。

 

あなたの人生の物語

あなたの人生の物語

 
Stories of Your Life and Others

Stories of Your Life and Others

 

 

 

 

https://www.instagram.com/p/BUTj7h7D9Fr/

そして昼食は「ガパオライス」を、「ALLEE RESTAURANT」で。
いや、正確には昼食の後に映画なのだが、もう書いてしまったので訂正しない。

とにかく美味しいガパオライス。
昨年に食べて、再登場を楽しみにしていた人も多い気がする。
いわゆるエスニック料理ならではの“クセ”は極小に、しかし香りや風味が豊かに楽しめる、そんな不思議なバランスのガパオライスは、この店ならでは。でも「日本人向けにアレンジした食べやすさ」とはまた違っているのが本当に面白い。
こういう、スタンダードを保ったままレベルを底上げし、しかも他とは違う独創性が生じている、そんな外食は嬉しくなってしまう。なかなか出会えるものではない。

www.at-s.com

それ以外にも、ケーキを食べたりプリンを食べたり、帰宅してあんみつを食べたりしたのだが、その辺りは割愛。
MARIATHANKでは「ラズベリー味のフランクフルタークランツ」なる、珍しい品に出会えた。バタークリームは正義である。

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今からネット配信の映画を1本観て、それから寝ます。
今日は自分を甘やかした日。たぶん明日も同じ方針を継続する。

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