私事により半日の休暇を取る。
そして用事を片付けた後に、静岡の街まで行き、映画「お嬢さん」を鑑賞。
春画から昭和初期まで連なるエロティックな日本文化(というか、そういうものを愛でる倒錯趣味人)と、戦前らしさ溢れる閉鎖された家に閉じ込められた「お嬢さん」、そして彼女を騙す目的で送り込まれたスリの女の子、女の子を操る詐欺師、といった諸要素が盛りだくさん、しかも韓国映画らしい濃いめの演出でぐいぐい魅せる作品だった。18禁ということもあり、多くは語らないが、このやり過ぎ感は、日本映画には無理だと思う。
統治下の韓国、そして主要な登場人物の少なくない割合で日本人が登場する。だから日本語も飛び交うのだが、残念なことにそういう場面でも、日本語が下手だった。お話の都合上それでは困るのではないか、という状況(日本人を完璧な日本語で騙す韓国人、とか)でも、演じるのが韓国の人達だから、日本語がすごく変なのだ。イントネーションが変なのはともかく、日本語表現として妙。
そこだけが残念、だったかもしれない。
お話としてはとても単純な、騙した筈が騙されて、でも実は…といったありきたりな「詐欺師どもの戦い」だった。でも、底に流れるサイコパスじみた愛と情の物語や、変態達の屈折こそ、この作品の見どころなのだと僕は考える。
観て損は無い作品でした。でも、誰にでも勧められるものじゃない。
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さて今日は、映画館にいる間に、ずいぶん強い雨が降ったようだ。
僕の自転車は濡れなかった。でも、映画館で集合した友人夫婦の自転車は、屋根付き駐輪場なのに水浸しになってしまっていた。
その後、清水区の「quatre epice」でケーキなどを楽しむ。その時も外で雨が降っていて、でも遠くには赤い夕日が見えた。なんだか激しい空模様。
ケーキは新生姜を使ったシフォンケーキ。
これはなかなか良い品で、食べながら感心してしまった。ジンジャー風味のシフォンケーキなら何度か食べた記憶があるが、今日の品は、きちんと新生姜風味になっていて面白い。あまり一般向けにはならないが、新生姜風味のパウンドケーキなどがあったら食べてみたいものだ。
しかしこのquatre epice、ケーキは抜群に綺麗で、ほぼ外れなしの美味しさなのに、飲み物がいつまで経っても凡庸なのだ。コーヒーはまだしも、紅茶や甘い飲み物は、メニューを見た限りでは工夫やこだわりがあるのに、実物は普通なのだから変といえば変だ。不味いとまでは言わないものの、おっ、と思える事がまるで無い。
今はもう、それも含めてこの店の持ち味だと思っている。あくまでケーキを楽しむためのお店だと。世の中には様々な個性のお店があるのだ。