昨月だったか、ベーコンを加熱せずに食べる、という話を聞いた。僕の生活圏では、遭遇したことがない。少なくとも自分は、ベーコンは加熱して食べる。
たぶんそのままでも食べられるのだとは思う。同じ豚肉の塩蔵品であるハムとは、使う部位が違う程度だろうから。燻製したから生は無理、なんて事は無いだろう。
ではなぜ食べないのか。たぶんベーコンは、焼いたら美味しいから、なのだと推測する。それも、ものすごーく美味しいから、火を通すという発想が無いのだ。
でも物は試しと、今日食べてみた。
もともと、冷たい脂は好きなほうだ。だから、ベーコンの脂も美味しくいただけた。赤身肉の部分など、ほぼハムである。
ハムは薄切りで、ぺろっとなってしまうけれど、ベーコンはブロック状だから、つまみやすい。フォークで突いて口に運ぶのがとても簡単。
本格的な、豚肉と岩塩と…みたいな品ではなくて、原材料欄に水飴や蛋白加水分解物などが延々と並ぶ、普及品。そこを眺めている分には、本当にハムと変わりない。つまり、衛生と防疫の観点からすれば、確かに火を通す必要は無さそうだ。
では今後もベーコンは生で食べるのか、といわれると、どうだろう。選択肢が増えたことは確かであり、試してみたい料理法もぼんやりと思いついた。でも焼いたものの美味しさは、また別のものとして特別なのだ。どちらか選べ、と言われたら、たぶん焼いたほうを選択する。
さて、今日は節分ということで豆を食べたり投げたりした(甥姪が遊びに来ていた)。
この福豆、つまり炒った大豆は、必ず余る。皆で食べきって、まだ足りない、という状況はまず無い。
その余った豆は、とりあえず浸し豆にした。いつかこの日記でも書いたと思う。濃縮めんつゆ、醤油、酢、砂糖、水、みりん、酒、なんでもいいから、濃いめの漬け汁(酢は少なめ)を作って、そこに豆を漬けて、冷蔵庫に入れて翌日から数日の間に食べる。美味しい箸休めが出来上がる。
醤油が多めだと長持ちするし、少し輪切りの唐辛子を入れてもいい。
醤油だけ、あるいはめんつゆを薄めずに使うと、「醤油や味噌のご先祖様」っぽい何かが出来上がる。これは、炒め物などに調味料として使用すると便利。
今年はピクルスにもしてみた。
焼いた大豆のピクルス、というものを大昔に翻訳小説で知ったのだが、まだ試していなかった。
炒り豆を、貰い物のピクルス用にミックスされた酢に入れて、庭のローリエを少しだけ投入。あとは待つだけ。
浸し豆の時は、酢が多いと、「なんとなく健康食品」になってしまう。ピクルス液はずいぶん甘いが、どうなるのだろうか。
我が家は、というか僕は、この炒り豆が好きで、1年を通して購入している。ちょうど行動範囲に落花生と豆菓子の専門店があって、簡単に手に入るのだ。
豆屋の人が言うには「節分の時期に売るものは、程度の良く無いものがほとんどだ。同じ価格でも、味がぜんぜん違う」とのこと。確かにそういう感じはする。特に料理に使うと差がわかる。
明日は炊き込みご飯にする。これは、米の上に炒り豆を適当に入れて、栗ご飯の味付けで炊くだけ。とても簡単。鄙びた、という表現がぴったりの味。豆を戻したりする手間が無いのが有難い。
他にも、スープの実などにも使う。友人宅では、青菜の胡麻和えに加えていた。
なかなか使い勝手の良い食材である。