今日は遊びまくって、その後にてきぱきと家事や懸案事項を片付けるぞ、と心に決めて寝て、目覚めたら午前10時だった。それでも寝不足感があって、今日はもう、だらっと過ごすことに決めた。大丈夫、正月休みに色々な用事を済ませてしまったから、喫緊の課題というものはほとんど無いのだ。あえてのんびり、逃避ではなく戦略的な停滞。
で、昼ごはんに静岡の街まで行く。七間町の小さな中華カフェみたいな店、「オールド上海Cafe1930」でるーろーふぁん、魯肉飯、を食べてきた。
台湾旅行中に何度か食べた。静岡市においては、あまり見かけない。あっても豪華版の「豚角煮ごはん」のようなアレンジがされていて、本場の“庶民の汁かけ丼”には遠い。
この店のものは、カフェごはん的な食べやすさと、きちんと香辛料の香りがする濃いめの味付けが両立していて、なかなかよろしい。厚揚げが特に美味しい。
確か、かの地では、これ単品で、つまり日本のファストフード的な丼のような売り方はしていなかったと記憶している。基本的に、おかずがついてきた。ただし台湾に行ったのは大昔なので、今の事情はわからない。「吉野屋の牛丼」みたいになっている可能性はある。
この上海カフェは、商店街のビルの2階にある。木製の飾り窓や、どこかで聞いた映画音楽みたいなBGM、古書から調度品まで、どこかで見たような上海っぽさに溢れている。
場所は、静岡県中部在住の甘党にはお馴染みの、「甘党の店 松風堂」と同じビル。ワシントンプラザホテルの向かい。以外と知られていないようだが、行けばたぶん、多くの人が気に入ると思う。1人でやっているからのんびり待つ必要はあるし、なんとなく常連さん贔屓が伝わってくるけれども、それはそれ、ということで。マンゴーのかき氷もおすすめです。
コーヒーは、かつての名店、「Capu」があった場所に入った「ペーパームーン」で飲んだ。
ここはもう、びっくりするくらいに個人経営のこぢんまりしたカフェっぽいカフェ。古道具やレコードがたくさん、本棚には漫画や小説。それらのチョイスが、まるで90年代後半に戻ったかのような懐かしさなのだ。ボブディランの本とか、アフタヌーンコミックスとか。そして店の中の会話は、例えば「村上春樹は読むけれど、ブンガクとしては評価しづらい」とか、そういうちょっと青臭い感じ。おおっこういう店、貴重だ、と嬉しくなってしまった。ロッキンオンのバックナンバーとか、探せばありそう。
コーヒーはとても美味しかった。ケーキは品切れだったけれど、コーヒーだけで十分に豊かな気持ちになれた。
それ以外は、まあ寝たり読書したり、手紙を書いたりといった、本当に生産性の低い休日を過ごしている。
良かったことは魯肉飯とコーヒー。
それに、革のお店で良い端切れを買えたこと。なにしろ端切れだから処分価格なのだけれど、店員が「えっこんな良いものが処分ワゴンに?」と店長まで呼んだのだから、たぶん本当に良い品なのだと思う。僕の腕前だと、変な革を活用するのは難しい。ある程度の質が無いと、どうしても廃棄物寸前の革小物に仕上がってしまう。だから今回の買い物は、とても有難い。店長さんは「稀にこういう事はある。いつもじゃあ困るが、仕方がないことである」と、そのまま売ってくれた。良い店だ。