言えないことを言ってくれる人

昨日からアメリカ大統領選挙の話題でTVもSNSも大騒ぎ。例のトランプ氏の当選の話。

TVニュースで、トランプ氏に投票した人が喋っていた。「俺達が言えないことを言ってくれる人だ。だから選んだ」。
なるほど、言いたくても言えない事が多いのだろう。気持ちはわかる。
自身に鑑みてみると、やはり収入が少ない時のほうが、我慢する状況に陥りやすい。ならばそれを大声で発してくれる人は、とても頼もしく見えるというのも理解できる。

理解はできるが、共感はしない。
言いたいことを言えない、というのはまず間違い無く辛い。不幸だ。
でもその逆、言いたいことを包み隠さず言うことが、幸福に繋がるのかというと、さすがにそんなに単純じゃないと僕は思うのだ。
SFのショートショートにありそうだ。考えたことが全て周囲にダダ漏れになる社会。あのTwitterですらアレなのだから、現実社会では本当の炎が上がるだろう。

熊耳さんも言っていた。「感情任せの仕事をしたいのならば、芸術家になれ」と。残念なことに、今のところ誰も彼もが自身の感情を芸術のかたちにして生きていけるほど、社会には余裕が無い。はやく来い、シンギュラリティ、である。

それにほら、言いたいけれど言えない、という状況は、その“言えない”の部分に付随する理由や理屈がある筈なのだ。いくら権力や財力があって、しがらみを気にしない人だからといって、そのあれこれを無視して良いわけがない。

 

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なんにせよ、「本音」が尊ばれる時代となった。
いや、いつの時代でも本音は何よりも大切にするべき、自由の核であったはずだ。
でも昨今、その本音のかけがえのなさを以て、他者をぶん殴るような人が目立つ。おばあちゃんの形見の指輪をメリケンサックにするような乱暴さを感じる。そりゃ確かにダイヤモンドだけどさあ、って思ってしまう。

さてトランプ氏、僕の予想では「特定の課題には強い言葉と行動力で当り、興味の無い分野は副大統領や側近にお任せ」な政治家になると思う。
ここ何代かの東京都知事がそうであったし、他の都道府県の長にもそんな人がいる。本人達は改革、いや革命をしている気分だが、いろんなところが滞ってしまう。放言だけで半月くらい無駄しそうな予感がある。そういう人達は日本にも多いので。

 

 

 

そういえば、米ドル関連の金融商品(定期預金よりは少し利率が良い、くらいの穏当なもの)を少しだけ持っている。前の会社を辞めた時に、退職金の一部で購入した。すっかり存在を忘れるくらいの額だが、先ほど証券会社から「今すぐ手放すなんてことはしないようにね。約束だよ!」という意味の電話があった。まあ、額面以下にはならない感じなので、このまま放置する。夜だというのに大変な仕事だ。

 

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