映画『バベットの晩餐会』を観た。
こういう、名作だけど未見のもの、は映画館でリバイバルされると有難い。レンタルでも最低料金、AmazonやGoogleの動画サービスなら実質無料でも楽しめるのだけれど、なんとなくそうやって「いつでもどうぞ」という状況ではつい先延ばしにしてしまう。たぶん、自宅に立派な映写室があっても、僕の場合は無理なんじゃないか。
周囲に赤の他人がいて、静かに座って2時間を暗い部屋で過ごさざるを得ない、という制約込みで映画は楽しめる(ことが多い)。だから今日も、映画館に行ってきたのだ。
では感想を引用。例によって「Filmarks」からのコピー。
名作であることは知っていた。
大雑把な粗筋も把握していて、劇中で供されるご馳走のいくつかさえ本で読んだことがある。映画と食について書かれた本では必ず登場する作品だが、なんとなく見損ねていた。そういう名作は多いが、今回はたまたま地元の映画館でリバイバル上映されていたので、これ幸いと鑑賞。こういうものは、きっかけですね。とびきり素敵な映画だった。
様々なかたちでの「世界の素晴らしさ」が描かれている。
敬虔と質素を旨とし、小さな工夫で豊かに暮らす人々の知恵と真心。それはもう、文句なく善いものだ。
でも、バベット氏の催す晩餐会での豪華極まりないディナーもまた、それが1回きりのものであっても、人を幸せにする。技術(アーツ)や芸術(アート)の本質だと思う。「芸とは魂の幸福のこと」と芹沢銈介も言っていた。
「貧しい芸術家はいません」というバベットの言葉が心に焼き付いている。“頑固な老人達の閉ざされた心さえも美味しい料理で(略)ほっこり”なんて単純な映画じゃなくて、本当に良かった(そういうの、大好物ですが)。もっと上品な、でも茶目っ気に溢れた、楽しい作品。
それから、登場人物がとてもとてもチャーミングで、それだけでも映画として十分に楽しめる。ついお行儀悪くなっちゃう老軍人とか、それを見て真似する村人とか。誰も「美味しくて幸せ」とは言わないけれど、その行動こそが料理の出来を示している。観て良かった。食に関わる友人達がこぞって薦める理由がわかった。それから、映画館を出たあとに、ちょっと良いものを食べに行きたくなります(食べた)。
で、何を食べたのか。
かなり上等なランチを食べた。いや、価格はラーメン屋さんの「店名のついた(オプション全部乗せの)ラーメン」程度なのだが、予想を超えてきちんとしたものだった。静岡市葵区鷹匠の「スマッチネゴ」のランチ。クランベリーを詰めた豚肉の塊をグリルしてポートワインのソースをかけた品と、パンとサラダとスープとコーヒー。ぱくぱく食べるのが勿体ない、でもカジュアルなご馳走。リニューアル、というか名前だけ継いだのだと思うが、新しいスマッチネゴも良いお店だ。
ちなみにスマートフォンの不具合で、画像は残っていない。
- 作者: イサクディーネセン,Isak Dienesen,桝田啓介
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1992/02
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おやつには藤枝市の「ボクゥボクゥ」でレモンタルトを。夏には美味しいだろうなあ、と思っていたが、確かに美味しかった。この店の定番として常に並ぶ品だが、たまに食べるとやはり良い。さすが定番。
これはなぜか写真が残った。撮影してもファイルが破損する、あるいは管理ファイルに不具合が発生する、というよくわからないトラブルに見舞われている。これから修復を試みる。北海道旅行の写真も、いくつか消失してしまった。
実は昼前にかき氷も食べた。が、あまり書くと、甘党の食いしん坊に思われるので、写真は載せない。でも和菓子屋ならではの、品の良い宇治金時だった。