映画『裸足の季節』と、お土産配り。

映画を観てきた。
感想は以下の通り。小さな映画館で、じっくり集中して観ることができたことに感謝したい。たまたま帰省中の友人達との映画鑑賞で、感想戦(?)も楽しい。が、映画は笑って楽しめるような作品ではなかった。とびきり美しいことは確かなのだが。

以下、感想を引用する。あ、書き忘れたが、映画のタイトルは『裸足の季節』です。

伝統と因習の残るトルコ黒海沿岸の小さな村。
両親を亡くし祖母の元で育てられた5人姉妹の、別れと自立を描く。という説明では何のことかわからないだろうが、まあ、予告編を観ればどういう映画かは伝わるのではないか。
きらきらと無防備なほど美しい姉妹だけの時間と、伝統的な服を着せられて強制的に結婚させられていく凝り固まった(しかし善意溢れる)社会。女性の人権よりも、村の常識、それも既に一部でしか通用しないような古くさいルールにより閉じ込められていく姉妹の姿が哀しい。直接には描かれないが、家族による性的虐待も示唆される。
そんな閉ざされた(彼女達の家は物理的にも壁と格子で隔離されていく)世界で、姉たちは適応から自死までそれぞれの道を歩んでいく。ただし、村の常識からは外れられない。
どうしても結婚したくない四女、そして最も強い目で姉達を見続けてきた末の妹は、この狭い社会からの離脱を計る。

そう、美しく強い眼差しが、この映画の救いであり、見どころだと思う。
近代的なファストファッションや安っぽい部屋着ではしゃぐ姿も、伝統的な服に身を包む姿も美しい姉妹達。でも、どんな時でもその目の強さが、より印象に残っている。

田舎といえども、多くの価値観が交錯する。政教分離が国是でもある。しかしどうしても古い家父長的な因習が優先されてしまう、そんな部分は、程度の差こそあれ日本と通ずる部分がある。姉妹達ですら、その精神的檻に囚われている。
崖っぷちに追い詰められた時にようやく動き出す、自然なその姿こそ希望といえるのではないか。映像が美しいぶん、因習の重さ・怖さが際立っていた。

自分はヘテロセクシャルの男性として、どうしても姉妹達の美しさ、もっというと艶めかしさに目が行ってしまう。それもまた監督の演出意図だったのではないか、と同行した友人姉妹は言っていて、ちょっと居心地が悪い。その感覚は、今も映画の印象に編み込まれている。

 映画以外には、買い物とお土産配りの日でもあった。
買い物は、北海道旅行中に思いついたものを探して購入する、という旅行の延長のようなもの。秋の「瀬戸内国際芸術祭」への準備でもある。

お土産は冷蔵品も多く、加えて来週まで出勤しないため、配れるものは今のうちに、という目論見もあっての配布行脚。
あまり遊び回る気分でもないから、友人や親しい同僚に会って、お菓子を渡して、少し会話をする程度の活動が丁度良い。
同僚達には適当なお菓子を、そして友人には好みや「喜ぶ顔」を思いうかべての選択を心がけた。
でもやっぱり一番は、自分用の土産菓子。まだ勿体なくて開封もしていない。

 

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