映画『ルーム』と美味しいものいろいろ。



映画『ルーム』を観た。
いわゆる長期監禁からの脱出と、その後を描いた作品。サスペンスから始まりヒューマンドラマへと繋がるような面白いつくりだった。
ただの監禁事件ではない。誘拐された女性は、監禁された小屋(これが『ルーム』だ)で、誘拐犯の子を妊娠し、出産する。その子供が5歳となる頃から物語は始まる。

「絶望の檻」に囚われた母。外の世界について知らない、その存在すら信じられない息子。そんな二人の奮闘は、見ていて涙まで出てくる。

無事、外の世界に解放された後も、彼らには苦難の道が続く。
皆が善意を尽くす。もちろん善意を消費するような人達も多いが(家の前に集まる野次馬達…)、ともあれ安全で広く豊かな世界へとたどり着いたのだ。

しかし善意や純粋さや愛が集まっても、美しい絵には当然ならない。人は不完全なもので、世界は複雑過ぎる。そして、母も子も、あまりにも世界から隔絶されていた。

そんなわけで、胃が痛くなるようなやりとりが続く。言ってはならない言葉だって発してしまう。暗くて可能性が閉ざされていたあの「ルーム」の安定は、最低最悪であっても、ひとつの平穏だったわけだ。

でも2人は、困難で複雑な、途方に暮れるほど広い「世界」に、足を踏み出す。社会復帰、なんて簡単な言葉では嘘になる。折り合いをつけて生き延びる覚悟と強さがラストシーンには感じられる。そしてもちろん、その危うさも。そう、世界は優しいだけではないのだ。

 

それでも、と僕は思う。
世界は、その広さと複雑さ故に、あるいはそれだけが、価値なのだと。世界を知ることは、自由を得ること。


まだ若い、そして虐げられた母と、何も知らない息子。否応なく巻き込まれた家族達。とびきり複雑な彼らの未来に、新しい「ルーム」が作られないことを切に願う。いや、映画の登場人物達にそんなことを願っても仕方が無いのだけれど、とにかくスタッフロールを眺めながらそんなことを思ったのだ。

 

部屋 上・インサイド (講談社文庫)

部屋 上・インサイド (講談社文庫)

 
部屋 下・アウトサイド (講談社文庫)

部屋 下・アウトサイド (講談社文庫)

 

 

ルーム

ルーム

 

 

 

 

映画のあとは、お食事を。
ベンガルキッチン、というバングラデシュ料理の店へ。静岡PARCOドンキホーテに近い、安くて人気のお店。ナンやカレーが食べられる。
今日はバングラデシュのピラフを選択。ビリヤニ、と言う。

スパイスというより外国の線香みたいな匂いと、ぴりっとした辛さ、具で目立つのは鶏肉のみ、そして、ちょっと細長過ぎるのではないか、と思える長粒種の米で構成されている。大きな皿に山盛りで、ちょっとひるんでしまう。

https://www.instagram.com/p/BFAvN3tGMQZ/

でも食べきってしまえる。
単調だが旨い、もりもり食べること自体が贅沢な、そういう料理。
ちなみにタンドリーチキンも美味しかった。

tabelog.com

 

https://www.instagram.com/p/BFA2UTOmMay/

書店をぶらっと歩いたあとには、いつもの「MARIATHANK」にてお茶休憩。暑いので、今年度初のアイスティーを飲む。

ケーキは「ルーシー・リーのチョコレートケーキ」にした。最近のお気に入り。

tabelog.com

 

 

今は、昨日の旅の片付けをしている。
明日は出勤、その前に連休中のごたごたは整理しておきたい。季節の変わり目から延々と「連休中にやりたいこと」が溜まっていたはずで、それは明後日と明明後日へと先送り。

そういえば、この連休は「思う存分に寝る」のができていない。読書量だって不満がある。明日、仕事を休みたくなってきた。

 

ポケットに静岡百景

ポケットに静岡百景

 

 

 

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