美味しい柑橘をお土産にいただく。
名前は「ひめのつき」といい、愛媛の特産品だそうだ。
薄紙に包まれて贈答品になるような高級品ではないにしろ、静岡県民が箱で買って日常的に食べるミカンとは違う、なんだか立派な品。立ち位置としては、「ぽんかん」や「せとか」が近いのかもしれない。
晩白柚や柚子を少し橙色に寄せたような色合いの皮は、かなりしっかりしている。でも薄くて、手で剥くことができた。
味は濃い。
甘みは中くらいだろうか。きちんと甘いが、突出していない。苦みは皆無。
酸味はかなり強い。糖と酸のバランスが、濃い味を生み出しているのだろう。
少し大きめのミカンくらいの大きさだが、1個食べるとずいぶん満足感がある。ちなみに種は少なかった。
ここ5年くらいだろうか、自分の住む土地でも、全国の珍しい柑橘類を食べる機会が増えている。それぞれ違いがあって、本当に楽しい。食べることの好きな友人知人は、それぞれ「お気に入りの柑橘」があって、その魅力をきちんと説明できるのだ。格好いいと思う。
僕は晩白柚やザボンが好き。めちゃくちゃに美味しい訳ではないが、あれは特別感がある。見た目も、さっぱりした味も良い。
実のところ、果物のなかではどうしても「5番目くらいに好き」になってしまう柑橘類。しかし種類と個性では、もっと言うとエンターテインメント性では(日常では)抜群だと思っている。ライチやスターフルーツは非日常、スイカは風物詩、ミカンは果物というより、お茶や牛乳に近い。
そういう僕の家族が、いつも夏ミカンや八朔ばかり買ってくるのはなぜだろう。あれは剥きにくいし、種は多いし、非可食部分が多すぎる。忙しい朝に楽しんで食べることができない。「ムッキーちゃん」ですら、そのマイナス点はカバーできない。