冬。まだ寒い日が多い。
でもたいていの多肉植物は元気に育っている。
一昨年は1回だけ、静岡県中部にしてはおそろしく寒い日があって、鉢植えの多肉植物が壊滅状態となった。数枚残った葉から復活するのに、半年以上かかった。
今年くらいの暖かさだと、まずそういう恐れは無い。
ただし庭に植えてあると、人の出入りや強風で、葉がぽろぽろ落ちてしまう。そこからも芽吹くのだけれど、気温が低い季節は時間がかかるし、凍結すればもちろん駄目になってしまうし、どうしても“生存率”が低い。
そういった状況を打破すべく、年を越してから少しずつ多肉植物を屋内で育てるようにしている。
具体的には、庭で葉を拾ってきて、自室にて小さな鉢に並べ、放置する。こうすると数日で、小さな芽が発生する。鉢というか、そのまま土に植えられるポットを使っているから、もう少し暖かくなったら、そのまま庭に埋めていく予定だ。
実験的に、1枚の葉を小さく切断し、放置してみた。きちんと芽が出るから立派である。ただし乾燥や腐敗に弱い。
同様に、友人知人の家や店でも、丈夫そうな多肉植物の葉を少しずついただいている。頼むと、たいてい了解してくれる。
どういうわけか同年代の知り合いが営む飲食店には、多肉植物が多い。順調に育つと、店の飾りとしては過大なくらいに茂ってしまうものらしい。遠くは三重県からも貰ってきた。
それをちょっと貰ってきて、やはり自室で育てる。
そのために、車のグローブボックスにはプラスチック・シャーレを置いている。ティッシュペーパーで包んでもかまわないかもしれない。これは気分の問題であり、そしてそのまま春までの栽培床になるためだ。安いし、便利なものなので、重宝している。
庭にある数種類に、こうして貰ってきたもの、そして買い足したいくつか、それぞれが順調に増えれば、昨年からの目論見である、「多肉植物の庭」が完成するだろう。
稀に近所の家から襲来する「もこちゃん」というミニウサギ、この可愛らしいウサギさんが獰猛な多肉植物イーターであることも、わざわざ保護し増やす動機になっている。数を増やせば駆逐されない。もこちゃんは日本語を解さないため、「食べないでください」とお願いしても伝わらないのだ。
まず枯れない、そして小さくてかわいらしい植物が自室にある風景は良いものだ。
つい水をあげてしまう。おそらくここまで水は不要なのだろう(有害かもしれない)。でもとにかく、これが今年の、多肉植物救出作戦。今のところ順調。