ワイププラグイン

「昔はよかった」病 (新潮新書)

世界は多様性に満ちている。
この狭い日本の、さらに狭い職場でも、例えば「バラエティ番組は『ワイプ』が楽しい」という人がいるのだから、本当に人ぞれぞれなのだと実感した、そんな木曜日だった。

この人が言うには、「Webサイト、特にWikipediaなどの、単に情報を読むだけのページは本当につまらない。CGで作られた美男美女(選択可)が、スクロールやクリックに応じて、内容に対して過剰気味な反応をする、そんな拡張機能が欲しい」とのこと。そういう補助的なものが無いと「どこが面白いのか、重要なのか、大切なのか、いまいち伝わってこない」というのだ。

試しに「電子書籍にも実装されるといいですね」と言ってみると「そうそう、文章だけじゃ、まるで仕事をしている気分になるからつまらない」と。

僕などは、「ワイプの表示を許可しない」という初期設定ができるテレビ受像機が発売されたら、買い替えてしまうくらいに、あの『ワイプ』が苦手だ。
たぶん、タレントやお笑い芸人に興味が無いから、なのだと思う。
だから僕としては、テレビがデジタル化された時に、主映像と『ワイプ』は、別に扱えるように規格化しておいて欲しかった。字幕や副音声のように、あるいは別のチャンネルとして送信し、テレビ側で合成する、しないを選べれば便利だと思うのだが。

 

たぶん、こういうバラエティ番組的な嗜好を持つ人には、例えばWikipediaを表示した時に、内容を解析して、「…その驚くべき事件とは。[ここをクリック]」といった編集を行う、「引き伸ばしプラグイン」も、喜ばれるのだろう。

 

逆に僕は、朝のNHKニュースは、もう少し無味乾燥でもいいんじゃないか、と思っている。忙しい時間帯に「さあここからは〇〇コーナー、はじまりますっ!!(♪短いジングル)」なんて無駄は、省いてもいいと考えてしまう。「ではスポーツ、サッカー日本代表は…」くらいの切り替えで十分だろう。
決まった時刻には延々と簡潔なニュースを伝え続ける、そんな番組を(少なくとも休日の朝には)求めている。ニュースサイトのように、こちらから操作が必要なメディアでは、朝は困る。ただひたすら、情報を垂れ流し続けてほしい。

 

 

 

 

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