猫ゼリー&似顔絵ケーキ

実家の近所に、かわいらしいケーキ屋さんが開店した。
この田舎では、なかなか珍しいこと。オープン当初から小奇麗で、素人っぽさが無いところは、さすがに有名店の支店といったところ。

今日ははじめて、その店に行ってみた。
タルトとコーヒーゼリーを買った。味は、まあ美味しいと思う。格別な味、とはいかないまでも、知人の家にお土産で持っていくには十二分の役割を果たせる。ケーキマニアの集いには力不足かもしれない(甘党紳士界ではお世辞は通用しないのだ)。

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これがコーヒーゼリー

買う時は「なにこれかわいーやだー猫だー猫だー!」と思った。
でも箱を開けてみたら、最初は何を象っているのかわからなかった。色々な向きで眺めて、猫を見出すのに数十秒かかったことを告白する。
コーヒーゼリー部分はあくまで苦く、その下のチョコレートムースは濃く、シナモンの風味もする。猫は生クリームで、きっちり甘い。見た目よりも大人向けの美味しさだった。

 

 

この店では、バースデーケーキなどに、似顔絵やアニメ・キャラクターのイラストを使うことができる。僕は正直、魅力を感じないが(あれは著作権的にはどうなのだろう)でも小さな子供などは喜ぶのではないか。
この店の場合、見本写真の半分くらいが「政治家や有名人の風刺画」だった。あれらは本当に商品として売られていったものなのだろうか。それともパティシエの練習用に、適当な画像を参考にしたのか。
「ジバニャン」や「仮面ライダー」に混じって、安部総理や森元首相やウイリアム王子のケーキがある広告パネルは、それはそれで素敵だと思った。土井たか子氏のケーキなんて、いつか買ってみたい気もする(でも食べづらい)。

 

わりとメルヘンな店なのに、その一角だけが「田舎の有名人:貼り紙や工作で社会現象を風刺する風変わりなおじいさんタイプ」の雰囲気を発していた。

この種の不完全さこそ、静岡県における美学なのだ。粋人は欠けた椀を尊ぶという。富士山は宝永山があるからこそ美しい。
僕としては、ガチガチのイギリス菓子専門店にも憧れるのだが、そういう完璧さは「都会に行けばいい」と静岡人は考える。そのために新幹線があるのだ、と。

 

 

 

 

静岡百景

静岡百景

 

 

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