職場のルールが変わり、いくつかの資材・道具が使えなくなった。
環境や安全や、理由は様々。高価なものは他所の事業所や関連会社に運ばれていったが、日用品的なものは廃棄処分される。それも勿体無いので、こっそり皆で分配することになった。
チャック付きポリ袋などは、使い途が多いため人気。食品用ではないのだが、それ以上の清浄度で作ってあるから、使用に問題はない筈。
文房具の類も便利だろう。
僕は「蓄光テープ」を選んだ。
自分では買わない物こそ、こういう機会には手に入れておきたい。
光を蓄えて、暗いところでぼうっと光る粘着テープ。購入したのはずいぶん昔だが、高級品だったらしく、蓄光性能は高い。時計の文字盤よりも明るく光る。
とりあえず(特に理由もなく)傘に貼ってみた。
通勤用の予備として持っている、白いビニール傘の、持ち手の部分にぐるりと貼り付ける。暗闇で傘を探す事態は考えづらいけれど、目印としては良いのではないか。
ここで予想外の状態となった。
このテープ、貼るとそれだけで「お年寄り感」が、ぐっと増すのだ。明るいところでは、ほぼ白色な筈なのに、なぜか醸しだされるシニアな空気。
実は反射材テープも貰ったので、嫌いな人(現時点では隣の部署のサブリーダー)の愛車に、ぺたぺた貼ってみたい。スクーターや自転車にも似合うだろう。100円ショップで購入した「便利グッズ」と組み合わせれば、さらに引き立つ予感がしている。
日常使いの黒い傘に貼らなくて良かった。黒くて地味な傘に蓄光テープは目立つ。紛れも無い「おじいちゃんの傘」になってしまっていたと思う。
そしてこの蓄光テープ、先ほどから手に持って部屋を歩きまわっているのだが、特に貼り付けるべき場所が無くて、困りはしないがつまらない。家が古ければ何かしらの活用法が見い出せたのかもしれないが、最近の家は、「暗い時にも光らせておきたい場所」は、既に何かの手段で光らせているのだ。家電も同様。
まあいい。こういう品は、きちんと保管すれば長持ちするし、いつか活用法も見いだせるだろう。道具箱に放り込んで、今日のところはもう忘れる。
ふと思いついたが、丸型や星形に打ち抜いて、天井や壁に貼ったらどうだろう。もちろん自分の部屋ではなくて、甥や姪、友人の子供にあげるのだ。寝る前に、少し試作してみる。