ウィキ!

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職場の書類管理が煩雑極まりない。ワードで(しかも恐ろしく古いバージョン)ぽちぽちと表組みやスペースや改行を駆使してレイアウトして印刷したものを、全員で閲覧したのち上司に回して、全員の印が揃ったところで正式版となる。いちおうデジタルデータが原本ということで、名前入りの日付印を模したJPEG画像を枠内に貼り付けて、ようやく改訂作業は完了。版の管理も、ファイル名の規則も無い。慣れないと本当に手間取る。

 

この件について、上司から話があった。「転職前は、厳密な書類管理が要求される仕事に就いていたのだと聞いた。パソコンにも詳しい。経験を生かした、忌憚のない意見を聞かせてくれ」と言う。
僕は育ちがいいので、「上場企業の研究所なのに、サポート切れのオフィススイートを使い続けるのはどうかと思いますよ。コストダウンの方向性として馬鹿みたいじゃないですかね」といった回答はしない。

ちょっと考えて、「ウィキっぽいシステムが便利だと思います」と答えた。文章も画像も動画も埋め込めるし、印刷から端末での表示まで微調整が要らない。改訂履歴や承認作業も楽だ。レイアウトや装飾と文字情報をごちゃまぜにしないところが、素晴らしい。
ウィキペディアで使われているシステムは無料だった筈で、導入も保守も、サーバー管理の技術があるのなら、たぶん容易だろう。実際に使うのは、さらに容易い。

ウィキペディアに内部資料を載せるわけにはいかない。前の職場ではそんな事をしていたのか」と言われてしまった。以下、会話が続く。

「そうではなくて、ウィキペディアに代表される、いわゆるWiki的なツールを使うのが現状では適切だと思うのですが」
「それは高いだろう。それに、そんな技術は我々には無い」
「社内システムを扱える部署の人間なら、難しいことは無いと思います。MediaWikiなら無料です。商用利用が可能かは知りませんが」
「じゃあ君がとりあえず作ってくれ」
「無理ですね。時間も経験も権限も無い。せめてシステム管理部門が導入と初期設定をしてくれれば、この部署に関わる部分は扱えます」
「それにしてもまずカタチが要るだろう。そうだ、ここに『ホームページ・ビルダー』がある。これをインストールして、試しに1ページだけ試作しよう。それを提案書に添える」

そんな会話だった。
WindowsXP対応確認済みの「ホームページ・ビルダー」は、社内ルールに照らせば、あるいはシステム的に、現在の端末に入れる訳にはいかない。そもそもカジュアルコピーに近い使用となってしまう。そしてもちろん、ホームページ・ビルダーではウィキっぽいシステムは(少なくとも僕の知識と技術では)構築できない。

そんなわけで、今とても疲弊している。
この会話で疲れたというよりも、職場の書類が実に古臭くていけない。今どき、こんな「ページ全体を枠で囲った書類」なんて、役所と町内会でしか見ない。とにかく罫線と枠と、スペースキーとエンターキーを駆使したレイアウトが好きな会社なのだ。

スペースキーといえば、2段組みの文書が、いくつかのスペースで調整された、ひとつながりの段落だった時には、本当に驚いた。2つの文章が横に並んでいるように見えるが、その中間はただの全角スペースなのだ。ちょっと文章を書き換えたら、またスペースキーを押してレイアウトを調整する。Excelで文書を作るよりも酷い。


どういうわけか半角カナが基本になっている点も、変だと思う。
とりあえず枠はいけない。書類における枠なんてものは、手書きをする際のガイドとして使うものだ(この範囲に記入して下さい、という指示になる)。文章の下地に、ノートにあるような罫線(横向きの破線)をわざわざ再現するなんて、ちょっとどうかしていると思う。Microsoftに問い合わせたら「申し訳ありません、Wordはそういう用途は想定していないので(苦笑)」と言われそうな、そんな書類が大量にある職場で、でもそれなりに機能しているのだから凄い。
パソコンよりもワープロ専用機が似合いそうな気もするけれど。

 

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