ホッツェンプロッツ

スーパーマーケットに夕食の材料を買いに行った時に、変なおじいさんに遭遇した。
肉売り場にある、ちょっと変わった加工肉(提携牧場で作られた塩漬け豚肉や、サラミを太くしたようなソーセージなど)のコーナーで、勝手に包装を剥がして、むしゃむしゃと食べていたのだ。
手には小さな折りたたみナイフ。器用にビニールを剥き、小片を切り取り、次々と食べていく。

もちろん即座に店員が近づき、注意する。注意というか、怒られていた。
しかしこの老人、特に声を荒らげる訳でもなく、当たり前のように「いや、試食だが。ドイツではこれが普通だ」と言うのだ。

残念だが、この静岡県中部の片隅にあるスーパーマーケットは、ドイツの流儀を取り入れていない。ドイツ風の加工肉であっても、きちんと真空包装されて、そして高めの価格で売られている。「どれどれ、今年の出来はどうかな。ほう、これは絶品。カールの奴、良い嫁を貰ったな」という訳にはいかない。

たぶん、ドイツでも駄目なんじゃないかと思うのだが、どうなのだろう。
アメリカ映画だと、たまにレジに並びながら精算前のジュースを飲んだり、パンを食べている人がいるけれど、あれだってチェーン店のスーパーマーケットでは許されないような気がする。ドイツにもアメリカにも行った事が無いから、断定はできないが。

 

 

ベトナムのスーパーマーケットでは、農家の純朴そうなお婆さんが「よく来た日本の若者。この果物を食べてみな。なあに熟れ過ぎていて売り物にはならんのよ。売り物はこっち。でも美味しいのは断然、これ。ほら切ったから召し上がれ。ついでにこれも切ろうか。なあに旅人に振る舞うのが年寄りの楽しみなんだよ」みたいな事を言って薦められたフルーツを食べたら、「えーと、じゃあ5ドル」と請求された事があった。ベトナム語はわからないから推測で書いているが、たぶんそんな内容だったと思う。どういうわけか、正規の売り物であるバナナを1ドルで購入したら、5ドルは払わなくて済んだのだが、あれは何だったのだろう。込み入った押し売りの類か。警備員もいるスーパーマーケットだったのだが。
ガイドさんは市場に積まれている果物を(代金を払わずに)食べていたし、川にぷかぷか浮いているザボンや夏蜜柑も食べちゃうし、なんとも変な国だった。

書いた後に気づいたが、前半の「シズオカ・ドイツ混在老紳士」とは、全く関係が無い。たぶん単純に「海外旅行に行きたいなあ」と思っただけ。海外が無理なら、名古屋でもいい。名古屋は異国だと思う。

 

 

 

スーパーマーケットマニア ヨーロッパ編

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