ガトーショコラと本とラーメン

寝坊も二度寝もしないで、きちんと目覚めた。新しい職についてから、いつも土曜日は寝過ぎるほどに寝ていたから、これは珍しいこと。だんだん身体が慣れてきたのだろう、肩こりは相変わらず酷いが、膝はもう痛くない。気分的にも、「仕事を上手くこなす為の準備期間」としての休日から、一般的な意味合いでの休日へと切り替わってきたと思う。
とはいえ、まだ1日では疲れが完全に消えない。今までの人生では無かった事だが、今後は「仕事の疲れを癒やすために温泉に行く」といった行動が必要かもしれない。仕事が大変なのは間違いないが、たぶん老化もあるのだろう。そういえば、父や母や、それから職場の先輩も温泉が好きだった。公衆浴場は、それほど好きでは無いし、できることならば疲労回復なんて事に時間とお金をかけたくは無いのだけれど。

今日は概ね、以下のような出来事があった。

街に行き、買い物をした。付箋紙、ペンケース、そしてブーツを購入。

無印良品にて「良品週間」が始まった。クリアファイル、定規、メガネ拭きを買った。無印良品の家具売り場にあるテーブルで、プラモデルを組み立てている親子に遭遇。隣の「身体にフィットするソファ」では、寝ている人がいた。無印良品、いつのまにか無法地帯に近づいている。

久しぶりに、ラーメン専門店に行った。
空腹を満たすために、特にこだわり無く、「最近は『混ぜ麺』なんてものがあるのか」くらいの気持ちで入った店だったけれど、店員の「麺に一生懸命！」と描かれた黒いTシャツを見たとたんに逃げ出したくなった。「いらっしゃいませえ」から「麺、茹でさせていただきまーす」そして「スープ熱々、おひとつできあがりましたああ。前から失礼しまあす！」まで、とにかく叫び続ける。特に、店を出る客にかける「お気をつけて！いってらっしゃいませ！」がうるさい（何がいってらっしゃいだよ、と思う）。大昔のガソリンスタンドを思い出させる。
さらに言うと、「最初のひとくちは、麺だけを食べてください。音をたてて啜った瞬間に、小麦の旨味と香気を感じられます」といった貼り紙も、目に煩かった。
自慢の「混ぜ麺スペシャル全部乗せ」は、味が濃くて脂が強かった。まあ、いいんじゃないでしょうか。
そう遠くない将来には、ラーメン屋を見た瞬間に、「CAUTION：絶叫及びポエム有・真心込めて仕込み有・食べ方の指示レベル4(やや多い)　→詳しい情報をGoogleで検索」といった情報がメガネにぴぴっと映しだされるようになるだろう。技術の進歩が待ち遠しい。

街を自転車で移動しながら、ふと「ああ、職場の人達が言っていた『ネックのピーシー』って、『NECのパソコン』の事か」と気づいた。自己啓発書で言うところの「気付きを得た」である。だからどうした、という事は全くないのだけれど、しかし馴染めない事は確かだ。僕もいつか、「ネックのピーシーにカシオを繋いでヒムスだけ3枚焼く」とか言うようになるのかもしれない。「カシオ」は職場にあるデジタルカメラの事で、「焼く」はプリントアウトである事は、職場の常識である。ヒムスは「Hi-MUS」という専門的な装置の事だが、誰に聞いても何の略称なのかわからない。