鍵は発見され、持ち主の手に戻された。

 昨日の朝、台風の最中に紛失した車の鍵が手元に帰ってきた。やはり会社の駐車場から職場の建物までの間に、落としてしまっていたようだ。敷地内の道路に落ちていた、とのこと。
 昨日は昼休みも退社後も散々探したのだが、見つからなかった。これにはわけがある。

 昨日、嵐が去った直後に、鍵を拾った人がいた。
 彼はこう考えた。「拾った場所(ナントカ・ラボラトリー棟の前)とトヨタの鍵から考えると、きっとヤマグチ(仮名)の鍵に違いない。あいつトヨタ派だからなあ。キーリングについている自宅の鍵の形も見覚えがある。よしよし、ヤマグチ(仮名)にわかるように、この建物のドアに貼り付けておいてやろう」。
 通常は、紛失物は総務部に届けられ、メールで周知される。しかし個人的な親切と機転と思い込みによって、鍵は届けられることなく、僕の知らないそのナントカ・ラボラトリーとかいう建物の出入口に放置されることになった。
 今日になって、その拾った人と、ヤマグチ(仮名)とが顔を合わせ、「おうヤマグチ(仮名)。ドアに貼り付けた鍵、お前のだろ?」「そんな鍵知らない。ていうか、昨日は会社休んだ」という事になって、ようやく総務部に連絡が行った、ということだ。
 たぶん他の人達は、ドアにマグネットで貼り付けられた鍵を見ても「誰が貼ったのかは知らないが、知らない誰か宛という事は無いだろう」と判断したのだろう。

 総務部には、僕が鍵を探していること、その特徴、落としたと想定される範囲、を伝えてあったため、届けられてからすぐに電話があった。

 なんというか、人騒がせな話ではある。落とした僕がいちばん悪いが、それはそれとして、徒労感は否めない。
 でもまあ良かった。車の鍵、作りなおすと4000円くらいかかるらしい。金銭的な事だけではない。会社の敷地内で紛失したのは確かなので、それほどセキュリティ的なことは危惧していなかったけれど、でもやっぱり自宅の鍵を落としたというのは不用心でもある。

 しかし職場の皆さん、僕の自宅の鍵を見て、誰もが「これ、ヤマグチ(仮名)氏の鍵にそっくりだ。間違うのも無理は無い」と言うのはどういうことだ。ヤマグチ(仮名)氏は独身寮住まいで、それなりに多くの人がその鍵を見たことがあるようだが、それにしても普通のディンプルキーである。というか、僕がそうでないだけで、鍵の外観で持ち主を類推するのは、実は一般的なのだろうか。よくわからない。
 とりあえずキーリングだけでは他の人と見分けがつきにくいようなので、小さめのキーホルダーを探すことにした。

 

 では寝る。おやすみなさい。

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