まだ幼い頃に住んでいたこともあって、清水区は馴染みがある。港の辺りは散歩コースだったし、駅前から銀座商店街は祭や買い物の際に親に連れられてよく歩いた。
とはいえ、大人になってからは駅前周辺はあまり行かなくなってしまった。大きな商業施設は無いし、車を停めてまで行く場所も少ない。
今日の目的地は、清水銀座商店街の「小台湾」という台湾料理店。なんとなく魯肉飯を食べたくなったのだ。街外れの駐車場に車を停めて、そこからは折りたたみ自転車で商店街まで向かう。書店に寄ったり、かつての繁華街の面影を写真に撮ったりと、のんびりした移動だった。
店はすぐに見つかった。想像していたよりも小さい。ほぼテイクアウト専門で、小さなカウンター席で食べることもできる様子。魯肉飯も、お弁当というか、テイクアウト用の発泡スチロール容器(よくカレー等に使われるもの)で供される。
店の形態は想像していたものと違ったが、とにかく魯肉飯を食べた。
確か台湾旅行の時に食べた。その時とは、ちょっと違う味。中華スパイスの効いた、豚バラ肉のハヤシライスというか、シチューのような感じだった。なかなか美味しい。しかし魯肉飯の他には付け合せの漬物と、一口分のエビチリしか無いので、少し寂しい。寂しいので、食後にタピオカミルクティーを飲んだ。
食べ終えて外に出たら、テイクアウト用の店の横に、きちんとした中華料理店としての「小台湾」があった。そちらでは色々な台湾料理と、発泡スチロール容器ではない魯肉飯が食べられるようだ。
というわけで、完全な勘違いで、手前にあったテイクアウト用の店で、いくぶん安くて、そして簡素な魯肉飯を食べてしまった。味には満足しているから、近いうちに料理店としての「小台湾」に行くつもり。ちなみに「小台湾」と書いて「リトルタイワン」と読むらしい。
食事の後は、街をぶらっと走り、細々とした買い物をしてから、ケーキカフェ「キャトル・エピス」に行った。秋らしいケーキということで「かぼちゃのタルト」を食べた。
とても素敵なタルトだった。かぼちゃの素朴な甘さと風味、滑らかなクリーム。申し分のない味。
しかし、なにしろ秋だから栗やブドウやイチジクや梨のケーキやタルトが沢山あって美味しそうだったので、要は別の品も食べてみたい。それに、帰る前にはショーケースの上に「週末限定:栗のガレット」というものを発見したので、それもなんとなく悔しい。栗のガレット、食べてみたかった。
だから近いうちに再訪することを心に誓った。
清水の街もずいぶん変わった。道は綺麗になったが、駅の周りの商店街はどこも寂れていた。有線放送のJ-Popが物悲しい。でも自転車でぶらぶらするには走りやすくて良い街だと思う。
というわけで、近いうち、もしかしたら明後日にまた行くかもしれない。