映画館で『思い出のマーニー』を鑑賞した。
連休でジブリ映画だから混雑するかと思ったけれど、特別興行で早い時間(9:30)だったせいか席は3割ほど空いていた。でも次の回からは長蛇の列ができていた。僕としては待望の作品。
とても気に入った。素敵な小品、といった感触。宮﨑駿監督の大作とは違う方向で、これはこれで良いのではないか。毎年か一年おきに、こういう作品を作って欲しい。
しかし何しろ子供向け小説が原作だからか、ちょっと深みには欠けるような印象も残った。もちろん児童文学だって深みはあるのだけれど、コンパクトなシナリオに感動や伏線回収や状況説明や登場人物の救済を過不足無く盛り込んでしまう傾向があるから、どうしても余韻に欠ける。この『思い出のマーニー』もそういうところがある。良くも悪くも、映画館を出た後に心にもやっとした何がが残るような、説明のつかない諸々を抱えてしまうようなタイプの深みは無かった。でもそれが(少なくとも僕にとっては)悪くない印象になっていたので、観て良かったと思っている。
誰かに誘われたらもう一度観に行くのも躊躇わないが、おそらく自分一人では映画館でもう一度は観ないだろう。ともあれ良い作品だった。今は予告編を何度も(YouTubeで)見なおして、じんわり感動を反芻している。
ところで確か、原作ではイギリスが舞台だった。映画では北海道。個人的にはイギリスの風景と社会のほうが“合っている”と思う。ストーリーも大胆な改変があった気がするけれど、許せる・許せないを語るほど原作を覚えていない。
実のところ、原作は読んでいたことすら最近まで忘れていた。河合隼雄氏の解説だけ、うっすら印象に残っている。内容は忘れたけれど、読んでいる間は風景がありありと頭に浮かんできて、雨や風の感じまで伝わってくる良い小説だったことは覚えている。機会があったら読み返したい。
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今日の昼食はチーズバーガー。新静岡駅近くの「チェリービーンズ」にて食べた。