江國香織の「抱擁、あるいはライスには塩を」を読了した。
ちょっと(ずいぶん?)風変わりな家族の年代記。
章ごとに年代と語り部が変わる。多くの章は家族の言葉。しかし中心となる家族だけでなく、彼ら彼女らに関わった人達によるものもある。
余白を埋めていくと輪郭が現れるように、だんだん家族に隠された物語が浮かび上がってくる。特に最後の数章では、驚くべき秘密が明かされる。この最後の秘密を知ってから読み返すと、人の愛憎の凄みのようなものを感じさせられる。正直いって戦慄した。
かなり、あるいはちょっと上流階級の人達を嫌味なく描くところは江國香織さんの真骨頂だと思う。実に楽しい読書だった。
登場人物相関図を頭の中で描きながら読んだ。
図書館で借りた本だが、この相関図を印刷物の形にして、こっそり裏表紙に仕込みたい悪戯心が湧いている。そんなこと、しないし出来ないけれど、なんとなく。
今日は蒸し暑い。ずっと曇り空なのに、気温と湿度が高い。はっきりいって不快。
おまけに、一日の楽しみとしていたお店が閉まっていたので、かき氷を食べそびれた。
しかし帰宅したら、「マルセイバターサンド」があったので、今はそれを賞味している。実に美味しい。マルセイバターサンドは北海道の宝だと思う。
ふと気になって調べてみたところ、このバターサンドがAmazonで買えることが判明した。さすが21世紀である。これは進歩といって良いのだろうか。
いつかぽちっと買ってしまいそうな気がして怖い。地方の銘菓を通販で買う、というのは全く美的ではないと思うのだが。
ちなみに小川軒のレーズンウィッチも買える。
ただし鎌倉の小川軒。小川軒といえば、表参道の辺りを散歩した際に、レーズンウィッチを買うのが一時期の楽しみだった。あの店は今もあるのだろうか。