本に載っていた「マクドナルドのホットコーヒー」が無性に飲みたくなって、先ほど飲んできた。コーヒーは普通に美味しかったけれど(これで100円ならば立派だと思う)、なにしろ店内がうるさかった。
店の中は小学生だらけ。想像するに、土曜日辺りが運動会で、その振替休日なのだと思う。みんなおそろしくうるさいし、席でじっとしていない。
振替休日の小学生は、たいてい浮かれている。自分が子供の頃はどうだったのか忘れたけれど、少なくとも近年の“振替休日の小学生”は、普通の休日の何倍も元気だ。彼らがマクドナルドに来ると、それはもう悲劇的な程に騒ぎまくる。
スクール・カーストでいうと上のほうと推測される、特定の仲良しグループが最も声が大きい。身なりはずいぶんお洒落だけれど、女子も男子も“所作”にまで気を配る年頃ではない。だから猿山の猿みたいにぎゃあぎゃあ騒ぐ。
加えて「外食をしている」という緊張感が微塵も感じられない。昔でいうところの駄菓子屋に屯するような感じでマクドナルドに居座っているように見える。何割かは何も注文しないし、食べ終えても退席しない。
そんな、いちばん騒がしい人達が、僕の近くに席を占めた。
弱ったなあ、と思いつつコーヒーを飲む。さっさと飲んで、立ち去ろうと決める。
そのうち、小学生の1人が、僕の前の椅子を「使っていいすか?」と聞いてきた。良い機会なので少し話をする。
僕「椅子はどうぞ。使っていい。もう少し静かにしてくれると助かる」
小学生「あー、俺らだけじゃないすから」そして仲間に向けて「客のケンリじゃんよー」
なるほど権利か、と僕は感心する。難しい言葉を知っている。マクドナルドにおいては静謐を求めるほうが間違っている、ということなのだろう。しかしまあ迷惑であることには変わりないので、一言だけ言い添えてみる。
僕「小学生?〇〇小学校の6年?今日は振替休日だね」
そう言うと、彼の態度が変わる。
小学生「あっすいませんでした。みんな静かにしろよ。俺らめっちゃ迷惑かけてるよ。すいませんでした」
学校名は、学区や会話からの推測。ほぼ当てずっぽう。
どういうわけか、小中学生というのは「所属する学校名」を言われると大人しくなるのだ。別に「学校に言うぞ」などと脅さなくてもいい。ただ単に「〇〇学校の生徒?」と確認するだけで十分に効く。
そういうわけで多少は静かになったのだが(彼らは別の席に移った)、やっぱりうるさいことには変わりがないから、読書は諦めて帰ることにした。
帰る時に、店員さんが「今日は騒がしくてすいませんねえ」と言ってくれた。すまないと思うのなら一言注意すればいいじゃないか、と僕などは思うのだが、客商売ではそうも言っていられないのだろう。
それが今日のマクドナルド体験。
うるさい、騒がしいと文句ばかり書き連ねたが、実のところ“浮かれている子供”を観察するのは好きだ。これからの季節、夏祭りなどが狙い目。子供の頃の自分がそういうタイプでは無かったこともあって、見ていて飽きない。