「読んでみたい」と知人が言うので、漫画「青い花」を全巻まとめて貸す。その前に、少し読み返している。
とてもとても感動した作品で、特に最終話周辺では読みながら震えが来たほど。ぞわっとして、その日は上の空で過ごした。自分とは何もかもが違う世界設定の話なのに、なぜか心に引っかかるものがあった。
上手くは説明できないけれど感動して、その後しばらく後を引く作品というのが存在する。いちど“囚われる”と、しばらく後を引いてしまう。わりと長く生きてきたのに、未だにどんな作品でその状態になるのか、傾向が掴めない。
全部で8巻、枝葉の話がやたらと多くて、途中は惰性で買っていた漫画だったけれど、それはそれとして傑作だと思う。暇な時にぱらりと読む、という用途には向かないから、このまま貸して手元に戻ってこなくても構わない気もする。でも好き、というよくわからない作品。
本といえば、友人の姪にも何冊かの本を譲った。なぜか手元にある「るるぶ静岡」から、森見登美彦の「きつねのはなし」まで、今回は多彩さをテーマに選ぶ。
自分の蔵書には、栞代わりに色々なものが挟まっている。映画の半券や、昔飼っていたペット(イグアナ)の写真くらいなら別に構わないけれど、他人には見られたくないような物まで発見されるので、昔の自分は一体何を考えていたのだろうと不思議に思う。
というわけで、本を人に譲る(または貸す)場合には、きちんと全ページをチェックしなければならない。これはなかなか、油断のならない作業となる。おまけに気になる本は読み返してしまうので(他人に渡す本は、概ねお気に入りだった本なのだ)いつも予想以上に時間がかかってしまう。困ったことだ。