とりあえず仕事で疲れ果てるという事も無く、かなり余力を残して週末まで乗り切った。
でも目は疲れる。仕事帰りに映画を見るのは、ちょっと辛いかもしれない。3D映画は無理な気がする。
今日の職場は、ほぼ全員が女性で構成され、笑顔と私語に溢れた、とても賑やかな部署だった。
おばさんも、若い子もいる。
何故かわからないが、全体的に、「物事を知らない人」が多かった。
韓国の位置を知らない人(中国内陸部にあると思い込んでいた)、台湾と中国との関係、それから健康食品やアトピーに関する色々。
どうしても話は耳に入ってくる。気になるけれど、聞かれた時以外は黙っている。黙って、こっそりと驚く。
しかし極東の周辺国の基本事項ぐらい、知らないと逆に大変だろうと思うのだが、全然気にしていないようだった。
ものすごく変な事も言う。「中国には”ごめんなさい”に相当する言葉が無いんだって。だから日系企業をデモで焼き討ちしても謝らない」なんて、ちょっと考えればおかしいと気づいて当たり前だと思うのだが。
こうして時代の空気というのは染まっていくのかと、なんとなく思った。
それらの話題とは関係なく「ガラケーのガラって何?」「ガラポ」「なるほどね」みたいな会話も気になる。ガラポって何だろう。
この職場の上司は、研究部門から臨時で移ってきた、きちっとした人。実に繊細そう。
そして、この職場の人達を、たぶん嫌っている。少なくとも、苦手としている。
休憩時間の賑わいを見ながら、「カトウ君、君は平気なのか」などと聞いてくる。
ちょっと、戦争映画に出てくる新任の士官(前線勤務は初めて)みたいな雰囲気がある。
そして「まあまあ、仕事はきちんとやる連中ですよ。口は悪いですがね」みたいな事を言う、世事に長けた古参の軍曹みたいな人も、きちんといる。
そしてなんとか、仕事は回っている。
一緒に働いた人達に、静岡市の美味しいお店の話を聞いた。
ずいぶんと若い子達なので、自分のよく行くお店とは違う、目新しい情報が多い。
同じスイーツ好きでも、安くて、たくさん食べられるお店をよく知っている。僕とは着眼点が違う。
デパ地下のデザート売り場で、美味しくて安いアップルパイがあるという。週末に行ってみる。
僕も自分のお勧めのケーキ屋やカフェを教える。同じ街なのに、お互いに知らないところが多い。