仕事の後に、友達の家に行ってパソコンの操作を教えていたら、きちんと包装されたチョコレートを貰ってしまった。
「俺、こういうの食べないから」と言う。
僕は甘いものが好きなほうだが、こういう理由で貰ったのは初めてかもしれない。
小学生の頃に異様にモテていた相馬君だって、他人に譲ることはなかった。
このチョコレートは食べて良いものだろうか。いや、チョコレートなのだから食べるべきだろうが、まだ包装を開かずに、ときどき眺めまわしている。
若い頃はそうでもなかったが、こうしてのんびりと独身生活をしていると、わりと色々な方面からプレゼントを貰えるようになる。有難い事だ。
遠方からも届く。年賀状よりも嬉しい。
甘いものを貰うのも、お返しを考えるのも大好き。製菓業界の陰謀はともかく、恵方巻きやサン・ジョルディの日等よりも楽しめている。
それらとは別に、先日、課長からいただいたアメリカ土産のチョコレート菓子が、とても印象に残っている。
ピーナツバターを中に封じた、実にアメリカ的な高カロリーなおやつ。
このチョコレート、食べると確実に気持ち悪くなる。
昔読んだベトナム戦争の兵士が書いた本で、「石鹸の様な軍用チョコレート・バー」の話があったが、まさにそういう感じの奇妙につるりとしたチョコレートが使われている。
そして砂糖よりも何倍も甘く感じる。いかにも海外土産という風な甘さ。日本のチョコレートは上質なのだなあ、としみじみ思う。
ピーナツバターもチョコレートも好きなのに、これは珍しく駄目かもしれない。
あと5個、手元にある。とりあえず、コーヒーと合わせたり、一気に食べずにちびちびと齧ったり、色々と試みているところ。
そのうち、やみつきになるのかもしれない。そう思わせる強烈な何かが、この甘い塊にはあるような気もする。