たまには和風のものを、と静岡市まで車を走らせる。
河川敷に車を停めて、そこからは自転車で旧東海道沿いまで行く。橋のすぐ横にある安倍川餅の店で、安倍川餅を食べた。
この店は、注文を受けてから、餅を手でちぎる。温かくて柔らかいお餅は、とても美味しい。
漉し餡の餅が6個と、きなこ餅(これがいわゆる安倍川餅)が6個、それに深蒸し茶がついて600円。安い。他に醤油と本山葵で食べる餅もあり、それもまた美味しそうだった。
きなこには砂糖が入っていない。別に普通の砂糖がかかっていて、適宜混ぜて食べる。小豆と砂糖だけで作ったような強くてあっさりした甘みの漉し餡の餅と交互に食べるのが良いと思う。
愛想は無いけれど、観光客ずれした感じはしない接客と、とにかく古い建物と美味しい餅の、なかなか良い店だった。いつも通りすぎているところにあるが、たまにふと行きたくなる。地元の名物というのは、あまり食べる機会が無いのだけれど、安倍川餅は間違いなく美味しい。土産物屋で買うものではなく、きちんと茶店で食べるべき味、という感じがする。