歳の差を意識する

 
 
友達の奥さんと、静岡の街へ行った。
彼女は都会から嫁いできた。自動車の免許を持っていない。だから街へ行くには、誰かと行くか、タクシーと電車を使う。
「車は維持費がばかにならないから、ちょっと不便なくらいのほうが良い」と僕は言うのだが、全然取り合ってもらえない。だいたい、僕自身が車に毎日乗っているのだ。説得力に欠ける。
そして自動車のお礼としてドライフルーツとナッツを貰った。嬉しい。



僕の誕生日が明日、彼女が今日ということで、お昼を一緒に食べた。
実のところあまり親しい間柄ではない。仲が悪い訳ではないけれど、2人でご飯を食べる事は少ない。
しかし敬語で話しても他人行儀にならないことは、お互いに「大人っぽいですね」という話になった。高校生なら、こうはいかない。
年齢といえば、僕と彼女は高校生と小学生くらいに歳が離れている。僕のほうが年上。例えば子供の頃に観たジブリ映画などが全然違う。音楽やTV番組も、ちょっとわからない。
でも大体のところは、おじさん扱いされなかったと思う。
静岡の街の話、なぜ宇宙はこうも上手くできているのか、料金を納めた人だけが衛星放送を見られる仕組み、炊き込みご飯のコツなどを話した。
東京の美味しい食べ物(パテ専門店、焼き菓子店など)、一輪車の乗り方、どうしたらお酒に強くなれるのか、などを聞く。
基本的な価値観や、何を尊ぶのかは全然違うのだろうけれど、話は尽きない。


小さな落書き。 レモンケーキ。パター味が美味しかった。


ささやかなプレゼントの交換をした後、彼女はそのまま静岡駅から新幹線で里帰り。僕は自転車で郊外を探検した。
空は少し秋めいてきたが、まだまだ暑い。ただし、すいすい進んでいる時は風を感じられ、汗も乾く。
ちょっと前に知ったカフェバーっぽいお店(ポーランドの陶器や雑貨が置かれていた)で、レモンケーキとカフェオレでおやつにした。
「自分への誕生日プレゼント」という名目で街の大きな書店へ行ったけれども、特に欲しい本は見つからなかった。







 

本屋で気になった児童書。たぶん「夏休み推薦図書」。
最近の子供は、ハードな本を読むものだと感心した。僕ならトラウマになるだろう。




そして今読んでいる本。
静岡県がまさにそうなのだけれど、年を経る毎に、急激に砂浜が減っている。海岸線がどんどん侵食されている。
それは何故か、を森林資源の観点から読み解く本。
文献や絵画によると、江戸時代までは日本の里山は木が少なかった”ハゲ山"だったそうだ。今のような治山や自然保護の意識も少なく、薪や材木の資源として山の木はどんどん伐られていた。
その結果、土砂が流出し、遠浅の砂浜が広がった。
現代の日本で、テトラポッドをいくら積んでも砂浜が減少しているのは、ダムでも環境破壊でもなく、山に木が根を張っているから。
ではどうすべきか、というところまで読んだ。
なるほどなあ、緑あふれる里山の原風景というのは幻想なのかもしれないなあ、と興味深く読んでいる。
既成概念を覆される、知的興奮と言って良いと思う。





 
 

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