映画『猫を探して』

静岡市サールナートホールで、映画『猫を探して』を観た。
フランスのドキュメンタリー映画
人と猫との関わりを、19世紀のヨーロッパから日本、イギリス、アメリカと時と場所を違えて描いている。
知らないことが沢山あって(許されるのならば)上映中、何度もメモを取りたくなった。



猫と人との関係を古代史から説明した本は読んだことがある。
でも欧州では19世紀(革命の世紀だ)になってようやく”猫好き”が認知され、美術の題材にも選ばれるようになったそうだ。
時代の空気と、猫の自由奔放さが上手く出会ったのだろう。
犬とは全然違う。とても興味深い。



日本の猫も沢山出演していた。
痛ましい水俣の猫達。最初に水俣病に罹り、原因究明の礎になったのは港の猫達だった。
他にも、有名な駅長を務める猫「たま」や、キャットカフェの着飾った猫が紹介されていた。
東京の野良猫も出てきた。
フランスでもよく知られた「カワイイ」という価値観の裏で、捨て猫の多さ(東京都では70%の猫が2年以内に捨てられるそうだ)が語られる。



イギリスの国営鉄道では、猫が保線管理に重要な役割を果たしていた。
鼠除けと、鉄道員のパートナーとして認められ、餌代が予算計上されていたそうだ。
それも今は民営化され、危機的状況に陥っているという。



アメリカの終末期医療に関わる猫も出演していた。
実家の近所のおじいさんが、ぼけてぼんやりするようになってからも、犬と猫に対しては優しく接していたのを思い出した。



全体に優しい雰囲気の映画だった。
時にシニカルに風刺される時もあったが、重くならずにドキュメンタリーとしてまとまっていた。
素晴らしい映画だと思う。気に入った。
猫好きの人には強くお勧めしたい(僕はDVDでもう一度観たい)。




自分は、猫を飼ったことが無い。
子供の頃は喘息で、毛や羽根のある生き物は飼えなかった。
イグアナや魚は好きで育てていたが、犬猫のような関係にはならない。
街で猫を見るのは好きだ。
動物と暮らすのは大変だろうけれど、他者と寄り添い生きるのもいいなあ、と思った。


 


 

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