よく考えずにフリーチベットと言う人達

夜の8時過ぎに、宗教の勧誘が来た。
同僚だと思ってインターホンに応えてしまったところ、1番苦手な“自然大好き系”のヒトの意見を聞くことになってしまって、とても疲れてしまった。


ノルマをこなして帰りたかったのかもしれない。
「信じなくてもいいです。ただ、このお便りには目を通して下さいね」
と言いながら、ドアの郵便物入れにばっさばっさと大量のフリーペーパー(カラーコピー、ホチキス留め)を入れて帰ってしまった。
後で見たら、隣の留守宅にはさらに大量のフリーペーパーが投入されていた。

 

ちらりと読んでみたが、最近よくある「地産地消を推進!二酸化炭素排出を抑制しよう!」というのが主なメッセージらしい。絵葉書や寄付を募ること自体怪しいのだが、読み辛いフリーペーパーというのはそれだけで資源の無駄遣いだと思う。

 

 

大体、“地産地消”の推進が、本当に資源の節約に繋がるかどうかも怪しい。
工業製品の常識から考えると、“大量生産&大量輸送”が最もエネルギー効率が良いように思える。
輸送に関わるエネルギーコストは、大量輸送によって劇的に減らせる。
ということは、製造コストの安い場所で(農業ならば“栽培に適した土地”で)沢山作ったほうが、消費地の近くで細々と作るよりも省エネルギーになる。

フードマイレージの問題ならば、まずはそれぞれの品物がどれだけのエネルギーを使って売り場まで来たのかを数値で示させるのが初めの一歩だと思う。
それはトレーサビリティ・システムから簡単に算出出来る筈だ。

「数値を明示し、消費者に判断させよう」
そういう意見を、“地産地消”を唱えている人達からは聞いた事が無い(ついでに言うと、“自然大好き”系の人達からも聞かない)。
経済政策としての“地産地消”ならば、理解できなくはないのだけれど。

 

 

 

 


このフリーペーパー、読み辛いうえに内容が盛りだくさんなので困ってしまう。
最後には“フリーチベット”なるスローガンまで出てきた。
フリーチベット”という言葉も色々な場所で聞くようになったけれども、少し前の「ホワイトバンド」と同じような雰囲気を感じる。
言うだけで「善行をした気分になれる」その安直さは胡散臭いと思う。
まるで24時間TVの1円玉貯金みたいだ。

チベットの状況は、とても気の毒に思う。
だからこそ、何十年も続く中国・チベット問題に対しては、もっと有効な手を考えなければ自己満足に終わるだけだと思う。

 


 

 

 

冊子をばらしながら(全部読まないまでも)ここまで考えさせるとは、もしかしたら僕は彼(女)らの術中にはまっているのかもしれない。
絵葉書もEMボカシも買わないし、寄付もする気にはならないけれども。

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