進化≠進歩

コンビニエンスストアで見かけた漫画雑誌の表紙に『最終進化』というような言葉が書かれていた。
同じように、『進化したケータイ』などと書かれた広告も見たことがある。

いつごろからだろうか、“進化”という言葉が、“進歩”という意味合いで使われるようになってきた気がする。
自分では、進化には「良い方向に進む」というニュアンスは全く感じたことが無かったので、随分と違和感を感じている。

別に進化論に詳しくなくても、生き物(に限らず、連続して変化するモノ)のふるまいを考えれば判りそうなものだ。漢字や言葉の響きが誤解をさせるのかもしれない。
変化して向上するものについては「別に“進歩”を使えばいいじゃないか」と、個人的には思う(←思うのは普通個人だが)。

“進化”が進歩・向上の意味を含むように、“退化”が悪い意味にとられることも多い。
足の退化したクジラや蛇が、他の生き物より“劣っている”訳ではないのに。
足が生えたまま泳ぐのに適応したクジラがいたとしたら楽しいかもしれないけれども、それは別の話。

詩歌や固有名詞には気をつかうのに、科学の言葉に無頓着な人は、意外と多い。
日常遣いの言葉ならば、無知なままは困るけれども、科学用語に誤用があっても、さほど不便は無いからだろう。
しかし、専門用語に無頓着な人ほど、その専門分野(もしくは専門分野もどき、例えば科学と似非科学)に騙される確率は増えそうだ。

 


もちろん、こうして新しい言葉や使い方が生まれていく可能性もあるので(あるいは、既に新しい意味合いを獲得しているのかもしれない)、言葉というのは面白い。

ともかく、ダーウィンが知ったら、きっと驚くと思う。

 

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