かぼちゃの匂い

かぼちゃの下拵えをした。
割と長持ちする野菜だが、切って売っているものは種の周りから腐り易い。
なので、すぐに使わない時は、適当に切って電子レンジで火を通して冷凍してしまう。

皮の厚いかぼちゃは、切るだけでもなかなか大変だ。
上手くコツをつかめば力もいらないのだけれど、下手に力任せにすると指を切ってしまいそうになる(考えるだけで痛い)。
先に電子レンジで温めると楽なことを、いつも作業途中に思い出す。

生のかぼちゃは、独特の淡い青臭さがある。
他の野菜とは違う匂い。
そして、かぼちゃの匂いは、昔飼っていたペットを思い出させる。

 

 

高校生の頃に、グリーンイグアナを飼っていた。
初めは指にしがみつく大きさだった。1年足らずで、1m以上にもなった。
主食は葉野菜。レタスや小松菜を好んで食べた。
他にも、庭で摘んだオオバコや豆類の葉も与えていた。
葉ばかりでは栄養が偏るので、虫や鶏のササミ、牛乳、そして緑黄色野菜や根菜も食べさせていた。

かぼちゃは、通年出回っていて入手し易いうえ、必要な分だけ分けてもらうのにも都合が良かった。
彼(♂)もすぐに慣れて、気に入っていたと思う。
細切りにしたり、すりおろしたものを口元に近づけると、大きな口を開けて丸飲みにしていた。

今はどうか知らないが、当時はイグアナの飼育にかぼちゃは必要不可欠だった(と専門誌に載っていた)。
ビタミン剤やカルシウム剤をまぶして与えるのにも便利だった。かぼちゃのすりおろしさえあれば、どんな野菜でも食べてくれた。

よく慣れたし、見ていて飽きない生き物だった。
犬猫の様にはなつかない、そういう点では鳥や魚を飼うのに似ていた。
手間もかかるし、何を考えているのかさっぱり判らない奴だった。でも、手の上で平和そうに眠ったりと、なかなか可愛いところがあった。
爬虫類独特の距離感は、飼ってみなければ判らないような気がする。
野良猫観察に似ている、かもしれない。


かぼちゃなんて、珍しくもない食材で、毎週のように買っている。
そして、たまに昔のことを思い出す。
あの頃は、学校から帰ってくると、冷蔵庫から少しづつ野菜を物色して、彼の夕食を作っていた。
ちまちました作業が、とても楽しかった。

 

 

 

保存用に火を通したら、冷凍する前に荒熱を取る。
そこから少しだけ取り置いて、シナモンと蜂蜜をかけて食べるのが好きだ。
ホクホクしたものでも、そうでないものでも美味しい。
ちょっとだけ、つまみ食いの感覚が良いと思う。

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