冷蔵庫の奥から味噌が見つかった。
専用の密閉容器に入っている。
恐らく１年以上放置されている。
食べても大丈夫なのか、少し不安だったので調べてみた。
長く熟成させるほど美味しい、という意見もあれば、味が変わりやすいので数ヶ月で使い切る方が良い、という情報もある。
どれが正しいのか、いまいちはっきりしない。
味噌自体は、色も味も変わった様子は無い。
しいて言えば、空気に触れていた表面が色濃くなっていただけ。
しっかりと観察しても、カビが無いようなので、使うことにする。
借りていた本に、油味噌の作り方が載っていた。
試しに作ってみる。
みじん切りにした牛蒡を胡麻油で炒め、酒と味噌を入れて煮詰める。
本来は刻んだピーナツを入れるのだが、今日は代わりに胡麻ペーストを入れてみた。好みで砂糖少々も加える。
こういう料理は、それだけで味見をしても出来不出来が判らない。
ご飯にちょっと添えてみたら、不味くは無かった。もう少し牛蒡を足しても良かったかもしれない。
冷めたら随分固くなってしまった。
ほうれん草の御浸しや、冷奴にも合う。
味の濃いものが常備されていると、食事が簡単に済むので楽だ。
鍋を洗うのが面倒だったので、鍋肌に残った味噌に出汁と醤油を加えて、キノコや蒟蒻を煮てみた。
こちらは豆板醤で辛めの味付け。葱も入れる。
お弁当用に保存しておく。
涼しくなってきて、台所のものが半日で悪くなるようなことは無くなった。でも、日中は暖かいので、油断は禁物だ。
