鰻と社長

朝に寝過ごしたので、お弁当は用意せずに出勤。

社員食堂に行こうとしていたら、上司から
「鰻食べたくないか?」
と誘われた。

何の事か判らずに、工場長室や来賓室のある建物に行ってみたら、会社のエライ人達が沢山いた。
今日は本社から社長が来る日。
昼食を“現場で頑張る若者達とざっくばらんに”食べつつ、将来を語りたいそうだ。
何しろ先週まで寝込んでいたので、その辺の事情は全く判らない。
隣に上司が座ったので何とかなったが、冷や汗が出た。

多分、“静岡から出向して頑張っている中堅どころ”という事で選ばれたのだろう。
時々、この種の“ちょっとだけ改まった席”に、若手代表として呼ばれる。
酒の席よりはマシだが、気疲れする。

顔にはまだ疱瘡の痕が目立つし、髪だってもっさりしている。
自分で鏡を見る度に、ぎょっとする状態なのに、ランチミーティングなどに出たら目立って仕方が無い。

そして、社長は研究畑の人なので、病気には詳しい。
色々と(帯状疱疹について)質問してくる。同じく病気に詳しい上司が半分位は答えてくれたから良かったものの、まるで昼休みの気分にはなれない(結局、昼休みは別にとった。)。
他にも数人の“前途洋々たる若者”が招かれていて、当たり障りの無い会話を受けていた。

僕の場合、「三重と静岡の地域差から生じた苦労話(笑い話)」が幾つかあって、適宜上司が披露してくれる。なので、自分は礼儀正しく受け答えだけすれば良い。ホスト・ゲスト共に、上手く会話が廻るシステムが出来上がっている。
この辺も、“お呼ばれ”が多い理由だろう。

昼食は近所から取り寄せた鰻重。
三重県北部は、鰻屋が多い。そのせいか、会食で鰻というのも珍しくは無いらしい。
静岡の職場も鰻の産地が近かったので、お客さんが来ると鰻をとっていた。三重の鰻も美味しい。

多分、高級な鰻重なのだろう。でも、普段食べているものと違いが判らない。
正確に言うと、違いは判別できるのだが、優劣が判断できない。
スーパーで買った(もしくは実家で母が何処からか仕入れてきた)鰻も美味しいし、今日の様な立派な鰻重も美味しい。
願わくば、唇のカサブタが取れてから、思いっきり大口を開けて食べたかった。

 

鰻も良いが、真に現場との交流を望むのならば、ケーキ・ミーティングを開催してもらいたい。
キルフェボンのタルトとか、今なら果物が美味しいと思う。
美味しいケーキとお茶(またはコーヒー)ならば、無駄話も減るだろう。

 

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