震度5以上

昼頃に地震があった。
お茶でも飲もうかとお湯を沸かしていたら、割と激しい揺れが来た。
立っていられるけれど、洗いたての濡れたコップがシンク上の棚から滑り落ちたり、窓の枠にかけてあったハンガーが落ちるほどの揺れが1分ほど続いたと思う。
揺れ始めにすぐにガスの火を消して、あとは地震が治まるのを待っていたが、実際に体験してみると、なかなか恐ろしい。
外や隣室では大きな音や叫び声がしていた。
誰かが見ていたら、僕も大騒ぎをしていたかもしれない。

揺れが止まってから、すぐにお湯を捨てて、ついでにガスの元栓も閉める。
起きたばかりで、外に出るには抵抗のある服装(へろへろのジーンズ、高校時代から穿き続けたもの。くたくたの縞シャツ、裸足)だったので、すぐに逃げられる服装に着替える。
貴重品は手持ち金庫(何故か部屋にある。嵩張る)に入れておく。
携帯やカメラは念の為に充電する。
ベッドの下に常備された古いスニーカーを確認する(非常用の靴はカトウ家の習慣)。
財布と鍵をポケットに入れておく。

これだけの対策を済ませたら、他に出来ることが思いつかなくなってしまった。
大きな音がした隣室が何やら騒がしいので、様子を見てみたら、飾り棚が倒れていた。
友人達と片付けを始めたらしい。何か手伝える事があるか聞き、雑巾と軍手を貸してあげた。

パソコンで情報を集める。
どういう訳かTVが受信出来ない(ケーブルテレビなのに)ので、インターネットに接続する。
ヤフーのトップページに地震速報が出ていた。

大袈裟かもしれないが、とりあえず風呂場に水を張っておく。
運が悪ければ非常用水、何も無ければ染色にでも使うつもりだ。

昨晩は疲れてそのまま寝てしまったので、急いでシャワーを浴びる。
無防備極まりないけれど、部屋にいるよりも安全かもしれない。

 

シャワーを浴びたら、急に手持ち無沙汰になってしまった。
対衝撃という観点では、自家用車の中などはとても安全かもしれないが、ドライブに行く気分にもなれない。
部屋の中は、かなり入念に倒壊対策をしてあったのだが、折角の休みに家にいるのもつまらない。
昼食のパンを買うついでに、自転車で街中まで行ってみることにした。

当然の事ながら、街は至って平穏だった。
美容院で展示品の棚が崩れていたのを見ただけで、他はいつもと変わらない。
選挙活動も普段通り。「皆様の力になります」と連呼するのなら、もっと別の事(情報収集や防災組織の再確認等)をする状況だと思うのだが、そういうのは彼らの守備範囲では無いらしい。
知り合いの雑貨屋さんに行ってみたが、何も被害が無くて良かった。

夕方にうとうとしていたら、また地震が来た。
2度目なので、割と冷静に布団を被ってやりすごした。

夜にcaféSnugに行って、お店の人達と今日の話をした。
少し興味深かったのが、防災頭巾について。
“子供の頃、学校の椅子には防災頭巾が備え付けられていた。それは各人が買うか親に縫ってもらうもので、普段は折りたたんで座布団として使用する”という様な話をしたら、三重県ではそういう習慣は無いと言う。
来るべき東海地震対策だった筈だが、今も続いているのだろうか。
数日前に、僕のソウルフードである麩菓子“さくら棒”が静岡ローカル食品である可能性について、mixiで知ったばかりだったので、ちょっと面白かった。
こういう、気付いていない地域性というのは、きっとまだまだあるのだろう。
急に“さくら棒”が食べたくなってきた。

 

 

今日は色々な人から、メールやメッセージでお見舞いの言葉を戴いた。
幸運にも何も無かったが、それでもとても嬉しかった。
それにしても、ずっと報道のヘリコプターが空を飛んでいたせいか、とても不穏な雰囲気の一日だった。

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