映画『マリーアントワネット』

午前中は布団の中でぐずぐずと過ごしてしまい、午後になって慌てて動き始めた。自転車で駅前の映画館まで行き、映画『マリーアントワネット』を観た。

 

かなり早めに席についたが、予想以上に混んでいて、あまり良い場所には座れなかった。何故か子供連れが目立つ。自分の右手側に子供(6人)と母親達の集団、左手側と後ろの人達はマクドナルドの食べ物をこっそり持ち込んでいた(臭気より推測)。この映画館では、一応は完全指定席となっているが、予告が始まる頃になると皆が勝手に好きな席(空いていると思われる席)に移ってしまう。そんな訳で予告編が始まる頃には食べ物の袋を開ける音や子供達のお喋り、そして席の取り合いの声で大変に騒がしかった。嫌な予感がしたが、仕方が無い。隣の子供連れがあまりに騒がしかったので小声で注意をするが、母親達があまり気にしていないようで効果は薄い。「何でまたマリーアントワネットの映画に子供を連れてくるのだ?」と疑問に思うが、もちろん黙っておく。

全体的に、映画を普段あまり観ない人が多いように感じた。テレビか雑誌で大々的にとりあげられたのかもしれない。

 

 

映画は大変に面白かった。厳格な歴史考証の元に作られた宮廷劇だと思っていたので、オープニングでいきなりパンクっぽいポップソングが流れて、別の映画が始まったのかと思ってしまった。

主な舞台であるベルサイユ宮殿や登場人物たちの衣装も、豪華絢爛だけれども何処か現代のセンスが感じられるし、鮮やかなお菓子も近代的な雰囲気だった。爛熟したフランス王朝末期を描きながらも、アメリカの恋愛コメディ(プリティウーマンとかの現代劇)を思わせる部分も多い。歴史のうねりや権謀術数は(おそらく)あえて描かれていないのだろう。そういう意味では、『マリーアントワネット』という題名通りの映画だった。

自分が期待していたのは『フランス革命前夜』であり『ベルサイユ宮殿の最後』だったのだが、良い意味で期待を裏切られた。少し短く感じられたが、これくらいで丁度良いのかもしれない。

 

映画は良かったが、隣の子供達は席を動きたがるし、その母親達は子供を黙らせる口実に僕を使う(「あのお兄さんが怒るから静かにしなさい」って、それは酷いと思う)ので全く集中出来なかった。当時の貴族間婚姻といえばお世継ぎ問題が露骨に描かれざるを得ないし、特にマリーアントワネットといえば必ずその種の話が挙がると思うのだが(実際に、かなり赤裸々な描写があった)、そんな映画に子連れで来て何の得があるのだろう。歴史も性教育も習っていない小学生が楽しめる映画では無いと思う。

反対側の人達は伏線や仕掛けに気付くと黙ってられない(しかもヒソヒソ話が出来ない)し、後ろの人達は延々と何かを食べ続けるし、酷い状況だった。「何でまたフランス宮廷劇の映画鑑賞にマクドナルドなんだ」とも思ったが、人の好みには文句は言えない。ただ、鑑賞中ずっと何かを食べ続けるというのは、それはそれですごい事だと思う。映画が終わった後に後ろを見たら、恐ろしい程大量のゴミが放置されていた。

 

 

予告編で、『羊たちの沈黙』の続編が公開されることを知った。好きなシリーズ(原作本が好き)なので楽しみ。

 

帰宅する際に手袋が破れたり、洗ったお皿を割ってしまったりと、全体的に目茶苦茶な一日だったけれども、映画だけは楽しめた一日だった。

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