強い雨とピスタチオ

朝から大雨。
できるだけ家から出ないで、自宅作業を進めていたら、あっという間に夕方に。
気分転換に外を車で走ってきた。

f:id:t_kato:20210604221043j:plain

今はAmazonのリーディングサービスを利用している。ちょうど「三体 Ⅱ」が佳境に入ったところ。「三体」シリーズは一作目から朗読版で読んで(聞いて)いるので、もう文章では頭に入ってこないのだった。よく「西洋人の名前がたくさん出てくると見分けがつかなくなる」と言う人がいるが、「三体」シリーズにおいては中国人も山ほど出てくる。

一作目は、四国と静岡を往復していたときに聴いていたのだった。
なにしろ片道6時間から8時間。音楽をずっと聞くよりも、先のわからない(そして、とてもおもしろい)小説のほうが楽しい。

しかし静岡県での暮らし、しかも「県境を超えての移動を自粛」している今の生活では、長い小説の朗読は、いささか生活に取り入れにくい。
自室でパソコン作業をしている時には集中できないし、家事や工作の際は静かなほうがいい。自転車でも耳は開けておきたい。

なので最近は、車での移動を少し増やして、「三体Ⅱ」を聞いている。ガソリンの無駄遣いではあるけれど、なにしろ人混みを避けて暮らしていると、娯楽の幅が狭まるのだ。目的地を定めない近場のドライブ兼SF小説のリーディングが、一人の時の気分転換になっている。

 

 

 

そんな、ほぼ自室と車の中で暮らしてきた今日のおやつはピスタチオのケーキ。
Bikiniで買っておいた品。ガトーピスターシュ、という名だったか。

f:id:t_kato:20210604221215j:plain

 

半分は家族に取られたので、やや小さい。そして写真がひどい。
でも満足の味わい。
ナッツ系のスイーツが流行中とのこと、もっともっと増えてほしい。

Bikiniのケーキは、ナッツそのままよりもナッツ感がすごい。不思議だ。

 

 

 

清水区草薙 『Art Book Shop りぶらりお』でコーヒーを飲む

良い店を見つけた。
というか教えてもらったので行ってきた。

友人から「君におすすめのお店」と言われていた。遠方の知人と話した時にも「気になるお店」と話題になった。だから今日は行けて良かった。

 

 

店名は「りぶらりお」。
アートブックや絵本の古書を主にしたセレクト書店。といっても、吟味された新刊も多いし、ZINEもいくつか置いてある。

場所は清水区の草薙。
南幹線から草薙神社に向かう道に入って、草薙川沿いを進む。そろそろ起伏やカーブがややこしくなってきたな、というあたりで川を渡ったらすぐ。地図だとこのあたり。

 

散歩の雰囲気ではないけれど、距離的には駅から自転車や徒歩でも行けるし、駐車場もある。

f:id:t_kato:20210513230849j:plain

 

欲しい本が山ほどあった。ただ今は諸事情あって本を増やさない方針なので、ぐっと我慢。次に行く時までに、何を買うか考えたい。

 

f:id:t_kato:20210513231002j:plain



日本の小さな本屋さん

日本の小さな本屋さん

  • 作者:和氣 正幸
  • 発売日: 2018/07/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
続 日本の小さな本屋さん

続 日本の小さな本屋さん

  • 作者:和氣正幸
  • 発売日: 2020/10/29
  • メディア: 単行本
 

 

店主さんと少し会話もできた。
実はこの店、午前中は写真館、写真スタジオなので、家族写真や記念撮影にも応じるという。確かに、素敵な店内の天井には撮影用のロールスクリーンが下がっていた。
置いてある本がとても良かったから、良い写真を撮ってもらえるはず。僕は写真館に縁の無い生活をしているが、たぶん撮るならここに頼む。

f:id:t_kato:20210513225939j:plain

f:id:t_kato:20210513225944j:plain

店内には小さなカウンターがあって、飲み物や焼菓子を注文できる。
今日はコーヒーを飲んで、クッキーを食べた。
どちらも、とてもおいしい。セレクト書店のコーヒーをあちこちで飲んできたけれど、基本的にハイレベルだ。理由はわからない。たぶん場所が好きなのだろう。

 

f:id:t_kato:20210513231438j:plain

お題「ささやかな幸せ」


 

静岡県中部で新しめの素敵な書店といえば「ひばりブックス」が有名。今日はこの「りぶらりお」が、その素敵書店リストに加わったので、とても良い日だ。

 

クモの巣ハンドブック

クモの巣ハンドブック

 

 

それ以外はもう、公私ともに疲弊と憤慨の連続だったので、もう寝るしかないのだけど。ともあれこんな木曜日。
おやすみなさい。

 

プペル見ました:カエルのケーキ

えんとつ町のプペル

youtu.be

映画「えんとつ町のプペル」を観た。
無料券というのか、前売りチケットが知人から回ってきたのだ*1。そろそろ地元では終映な予感がするので、空いた時間に観ることにした*2

あの西野氏の作品であることを(できるだけ)差し引いた感想としては「わりと普通」。凡庸というか平均点というか中の下というか、良くも悪くも尖ったところのないアニメ映画だった。
盛んに宣伝してそれなりに興行成績もあって、でも数年後にはわざわざレンタルやサブスクで観る人もいない夏休み映画がある。ああいった「今年のティーンエージャーとオタク向けオリジナルアニメ映画」としては及第点だと思う。

主題歌みたいなJ-Popが何曲もあって、劇中では確か3回くらいは「ダイジェストと共に曲が流れる」シーンがあったのは興ざめだった。あれは1作で1回で十分。3回もあると「タイアップ・ビジネス」という言葉が頭に浮かんでしまう。
それから唐突にダンスシーンが始まるのもよくわからない。ディズニー映画みたいに「盛り上がったから歌とダンス」ではなくて、その場面だけ唐突にミュージカル風なのだ。
基本的には手堅いCGアニメなのに、そういった唐突な演出が交じるのは監督のアイデアなのだろうか。
そもそも、そういった感動させたり高揚させたりするシーンが何度も続くと飽きてしまう。ストーリー上は程々の盛り上がりなのに画面だけは歌と踊りと激しい場面転換なのだから、なおさらのこと。

そして絵本の時から感じていたことだが、「絵本なのにダークな世界と、かわいいだけでない主人公の造形」というのは、やはりダサい。ああいうプチ邪悪な顔つきで独自性を持たせる絵は、90年代のアート系専門学校生が手掛けるサブカルイベントの定番だった。

ストーリーについては、西野氏の商売・思想を差し引くわけにはいかないだろう。
ファンなら喜ぶお話にはなっていたと思う。
「諦めるな、信じた道を進め。他人の嘲笑なんて気にするな。成功するのは諦めなかった人だけだ」をひたすら繰り返す。まあ、良い話ではある。
ただし悪人の描写は徹底的に浅いし、主人公達は基本的に葛藤しない。阿呆で保守的な一般人と、世界を騙している悪役と、「世の中の煙が晴れたら星が見える」と信じて頑張る主人公だけのお話。
ただし「外の世界を知ったらどうなるのか」といった疑問や葛藤はまるで無い。ただ「父さんが言っていた。煙に囲まれた街の外では星が見える。僕はそれを信じる」と頑張り続けるだけ。


観終わってから気づいたけれども、これは明確に「天空の城ラピュタ」である。ただし、「ラピュタを見つけた!父さんは嘘つきじゃなかった!諦めなくてよかった!」で終わる天空の城ラピュタである。
「頑張ること=良い事」で話が終わってしまっている。
起承転結の「転」が無い。

 

天空の城ラピュタ スタジオジブリ絵コンテ全集〈2〉

天空の城ラピュタ スタジオジブリ絵コンテ全集〈2〉

  • 作者:駿, 宮崎
  • 発売日: 2001/06/01
  • メディア: 単行本
 

 

結果として「お金の価値に疑問を抱かせる舞台設定」も「閉ざされた世界で自分を信じて頑張る尊さ」も、随分と一方的な描かれ方となっている。

なのでやはり思い出してしまうのだ。この薄っぺらさ、一方的な感じは、西野氏の商売と主張に似ていることを。
絵本を100分以上の映画に引き伸ばしたせいで、追加された人物や物事があからさまに(絵本の内容をほとんど忘れていた自分でも気づく位に)雑だったことも、鑑賞中に引っかかってしまった。

せっかく綺麗な映像と凝った美術設定があるのにもったいないことである。そんなふうに考えてしまうのは僕がオタクだからなのだろう。


たぶんこの映画の主目的は原作者のメッセージを伝えることなのだろう。「自分を信じて頑張れば夢は叶う」それだけを伝えるだけの映画なのだ。
だから「キャラが動く」こともないし「予想外の事件」も「夢が叶ったら自分と自分以外はどうなるのか考える」ことも、もちろん無い。
そういう意味では幸福の科学の映画や、「税金の大切さを学ぶPR漫画」と変わらない。ただ、たくさんの資金と一流のプロフェッショナルを動員した豪華な見栄えになっているので、見る側は戸惑ってしまう。

「言われなくてもわかっているし、それだけで世界の真実みたいに言われると正直しんどいキラキラしたテーマ」を、ひたすら聞かされるような100分と少しの時間。
でもディテールの多いCGアニメだから、いちおう「金返せ!」と途中退出する程のひどい作品にはなっていない*3。あくまで普通、そして凡庸。

ところで、西野氏としては、映画の感想が「凡庸」で良いのだろうか。
質はともかく尖ったところのある話題作になって欲しいのではないか。それとも全然かまわないのだろうか。よくわからない。

 

薬指の標本

薬指の標本

 
薬指の標本 SPECIAL EDITION [DVD]

薬指の標本 SPECIAL EDITION [DVD]

  • 発売日: 2007/03/23
  • メディア: DVD
 

 

 

カエルのケーキ

昨日のタヌキのケーキに続いて、今日のおやつはカエルのケーキ。
味については昨日の日記の通り。タヌキでもカエルでも、同じおいしさ。

f:id:t_kato:20210405221036j:plain

「このケーキを1つください」と指差したら「はい、カエルのケーキですね」と確認された。だからカエルのケーキ。カエルといえば大きな口ではあるが、バタークリームとチョコレートでは表現しづらいのだろう。
もちろんこれでもカエルらしさに溢れている、と思う。かわいいかわいい、と思いながらぱくりと食べてしまった。

f:id:t_kato:20210405222507j:plain

 

 

東京の子 (角川書店単行本)

東京の子 (角川書店単行本)

 
距離の嘘

距離の嘘

 

 

そんな月曜日。仕事は順調。
昼に入った洋食屋さんがニンニクくさかった。食器にニンニクをこすりつけているのではないか、水に生ニンニクで香りを移しているのではないか*4、と疑いながらオムライス(なぜかニンニクくさい)を食べた。
午後は自宅作業だったから良かったものの、なるほど平日正午にしては空いているわけである。

 

 

 

凍りついた香り (幻冬舎文庫)

凍りついた香り (幻冬舎文庫)

  • 作者:小川 洋子
  • 発売日: 2001/08/01
  • メディア: 文庫
 
静岡百景

静岡百景

 

お題「気分転換」

 

お題「ささやかな幸せ」

 

*1:正確には知人の知人から。

*2:夕方の上映で、客は僕を含め6人。うち2人は途中で帰ってしまった。

*3:そもそも僕は無料券で観ている。

*4:ちょっとおしゃれなカフェでハーブやレモンを水に漬けているように。

秋の探書会2020 鈴木邸

静岡市の鈴木邸(古い民家:文化財)で開催中の古本イベント、秋の探書会へ行ってきた。

 

マフィンおばさんのぱんや (こどものとも傑作集)

マフィンおばさんのぱんや (こどものとも傑作集)

  • 作者:竹林 亜紀
  • 発売日: 1996/01/20
  • メディア: 単行本
 

 

似たようなイベントは各地で見てきた。この静岡の探書会も3回目の参加。
規模はいささか小さく、サブカル方面に内容が偏っている気もするけれど、こぢんまりして楽しい催しだ。

f:id:t_kato:20201108231357j:plain

f:id:t_kato:20201108231406j:plain

f:id:t_kato:20201108231416j:plain

f:id:t_kato:20201108231429j:plain

最終日の午後ということもあるのか、今日は客のほとんどが顔見知りみたいな雰囲気。
客の大半は大きなデイバッグを背負い、黒っぽい服を着て、猫背。あるいは森ガールの成れの果てみたいなだぼっとした個性的な服を着ている。個性的といえば、会場を走り回る小学生の男の子達も、大人のイベントに慣れた感じで元気いっぱい*1というか、我が物顔な感じ。

こう書くと敷居が高くなりそうだが、しかし貴重な静岡県中部の古書イベント。行けば存分に楽しめる。
今日は絵本1冊と小説2冊、そして親への土産に古いガイドブック*2を買った。

 

 

山里の森の中、紅葉と落ち葉も存分に楽しめた。
雨だったら行かなかった。午後に行けたのも、かなり気の迷いの要素が大きかった。
気まぐれに従って本当に良かった。今夜は本を読んでから寝る。

 

ポケットに静岡百景

ポケットに静岡百景

 
静岡百景

静岡百景

 

 

お題「気分転換」

お題「これ買いました」

*1:声がうるさい

*2:静岡のシティガイド。1985年版だった。

プリンを作った。「青春迷宮」を読み始めた。

プリン

f:id:t_kato:20150815165923j:plain

家族は外出中で、朝から夜まで家には僕ひとり。

台所が自由に使えて好きなものが食べられる、実家暮らしでは貴重な機会。
なのでプリンを作った。丼サイズで。

大きいけれど砂糖は控えめ。
カラメルソースは多め。

ゼリーでもババロアでも、薄めの味付けが好きなのだ。

ちなみに写真は撮っていない。
昼食(野菜を大量投入した”実家のラーメン”)のついでに仕込んで、午後のおやつで食べたので。
独り暮らしの時に、鶏卵の大量消費と節約オヤツとしてプリン作りが習慣になっていたせいで、手作りオヤツなのに全く特別感が無い。外で食べるプリンやプリン・ア・ラ・モードは、年齢を重ねても祝祭的なのに。

 

 手作りのプリンにはスーパーで売っている廉価なプリン(プッチンプリンなど)を乗せると、味付けになってちょうど良いと聞いたことがある。
佃煮を使えば煮魚の味が決まりやすい、みたいな話だ。僕だったら、市販のプリンを食べて満足してしまうだろう。

プリン本

プリン本

  • 発売日: 2019/11/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

青春迷宮

青春迷宮 (KITORA)

青春迷宮 (KITORA)

  • 作者:伊波 真人
  • 発売日: 2020/10/01
  • メディア: 単行本
 

プリンとは全く関係ないけれど、この本を買った。

 

伊波真人氏の短歌と、イラストレーター 丸紅茜のイラストを組み合わせた作品。
文字の並びもイラストのデザインに組み込まれていて、ページをめくるたびにため息が出る。
装丁も好み。本屋で衝動買いしたのだが、これは良い買い物だった。

 

 これも読み始めた。最初から面白い。

お題「我が家の本棚」

映画館で見る「風の谷のナウシカ」 #ネタバレあり

今、映画館でスタジオジブリ*1の特集をやっている。新作映画の公開が滞っていて、それなら過去の名作をと企画されたもの。

 

https://www.instagram.com/p/CCcU4lOpAx6/

 

トトロの住む家 増補改訂版

トトロの住む家 増補改訂版

  • 作者:宮崎 駿
  • 発売日: 2011/01/29
  • メディア: 単行本
 

 



ちょっと興味があって、「風の谷のナウシカ」を観てきた*2

ナウシカについては、子供の頃から何度もテレビで見ている。
劇場では見たことがない。
DVDやレンタルビデオでも見ている。
つまり、スクリーンで見るのは、今回が初めて。

全てのシーンに見覚えがある。台詞だってシナリオだって、だいたい記憶にある。
僕の年代の日本人の多くは、人生と共に見続けてきた作品だと思う。
自分は、映画も漫画も大好きだ。

だから楽しめることはわかっていた。
でも、新しい体験ができるとは思っていなかった。

 

水深五尋

水深五尋

 

 

だってナウシカである。
まさか最後の「その者、青き衣を纏いて 金色の野に降り立つべし」のシーンで、大ババ様と同じくらいに涙を堪えることになるなんて思いもしなかった。

映画館の魔力だ。
自宅では、よほど集中できる環境でなければこんな感動はしなかったと思う。
びっくりした。

 

 

そういう心の動き(乱れ?)とは別に、色々と気づいたこともある。

例えば

  • 前半は説明台詞が多い。
  • 登場人物は、思っていることを語らない。
  • ナウシカが行動すると、周りの人が納得して動く。このときも基本、語らない。
  • 短い説明台詞と、行動する登場人物のおかげで、物語はすぱすぱと気持ちよく進む。
  • でも時間をかけるところは贅沢に使う。
    風の谷のちびっ子達とナウシカのやりとり等、地味だが丁寧。
  • 最後のクライマックス・シーンは意外と短い*3
  • 技術的に、今ならばもっと緻密に、あるいは立体的にできそうな部分は多い。腐海や雲の表現など。もちろん、当時の表現・技術で十分に圧倒されるシーンも多い。
  • クロトワさんが「タヌキ」呼ばわりされていた。タヌキが現存するのか、タヌキなる蟲がいるのか、あるいは中世ファンタジー世界における「ジャガイモ」のようなものか。
  • いかにも「電子音楽」って音楽が唐突に流れる。飛行機械でのチェイスシーンなど。時代を感じるテケテケピコピコギョイーンって音楽が流れて面白い。
  • エンドロールがおそろしく短い。
    声優なんて「風の谷」「ペジテ」といった勢力ごとの括り。静止画でエピローグを入れながら、主題歌1曲で終わらせてしまう。最近のハリウッド映画なんてテーマソングの後にラップ入りポップソングをフルで入れて、その後に続編を匂わす映像が流れるのに。
  • 大画面で見て、はじめて知る伏線。
    画面の隅に描かれた設備が後できちんと役立つなど、「子供の頃から何度も見ているから」と思い込んでいても知らない事は多い。
  • ジブリグッズでは常連のキツネリス「テト」が、あんまり可愛くない。可愛く描いていない。昨今の「1作品に1マスコットキャラクター」が定着していない時代の映画だ。

さすがに古い作品なので、気になるところはたくさんある。でもそれも、時代の違いが気になるというだけ。つまりもう古典なのだ。「風の歌を聴け」や「坊っちゃん」と同じ。

 

風の歌を聴け [DVD]

風の歌を聴け [DVD]

  • 発売日: 2019/02/13
  • メディア: DVD
 

 

風の谷のナウシカ」に限っては、リメイクもディレクターズカットも、そしてリマスターも要らない。これはこれで素晴らしいし、もう二度と作れない映画だと思う。

こうして映画館で観て、こんなにも好きだったのかと自分に驚いている。
たぶん今年の(私的)ランキングベスト10に入る作品だ。
もしかしたら、人生ベスト映画ランキングにもノミネートされるかもしれない*4

良い時間でした。
今なんとなく映画館は避けているけれど、行けて良かった。

 

風の谷のナウシカ [Blu-ray]

風の谷のナウシカ [Blu-ray]

  • 発売日: 2010/07/14
  • メディア: エレクトロニクス
 

 

お題「気分転換」

 

 

*1:正確にはスタジオジブリが権利を持つ作品

*2:予告編も、実に昔っぽい。

*3:今の映画なら、この「金色の野」部分だけで挿入歌&カメラ移動&各陣営の皆さんのモノローグがあるはずだ。

*4:ラピュタ風立ちぬも好きなので悩ましい。

日が長くなったね

雨が降りそうだからと外出を躊躇っているうちに、午後になっていた。

天気図でも、衛星画像でも、もちろん天気予報でも、今日の昼間には雨が降ることになっていた。山のほうを見れば真っ黒な雲もある。でもアパートから海にかけては、ところどころで青空さえ見える。

とりあえず(何もしないわけにもいかないので)役所で書類手続きだけを済ませた。
今日は提出だけ。あっという間に終わった。
せっかく中心街に来たのだからと、街を散策しようかと考えてはいたが、まだ人混みは避けたいし、今の暮らしで買うものも無いので迂回する。いつ雨が降ってくるかわからないし。

https://www.instagram.com/p/CBPiVTRp5qs/

 

しかし夜になっても、まだ雨は降らない。
どうしたことか。Macで常駐させている天気予報アプリは、素早く「概況」を更新して、本格的な雨は明日からだと表示している。朝と言っていることが違うじゃん、と思ったけれど、iMacに声をかけても仕方がないので我慢する。

ところで、今とても暇はあるのだが、なんとなく映画を観る気にならない。
Amazonの有料会員だから、無料視聴できる映画も多いのだけれど、今は読書ばかりしている*1

 

f:id:t_kato:20200609220429j:plain

読書もかなり乱読気味。
難しめのノンフィクションや技術書にも挑戦している。
逆に普段は手にしない最近の小説も買っている。久しぶりにライトノベルも読んでみた。

ライトノベルは、半日もかからず読み切ってしまう。
今回は流行の「転生もの」というのか、ゲームみたいなファンタジー世界で生きることになった主人公が活躍するお話を読んでみた。ファンタジーRPGの後半のように、主人公が桁外れに強い。こういう形式は僕が若い頃にも見たな、と懐かしく思う。例えば漫画の「ファイブスター物語」がそうだった。理不尽な実力差(最近はゲーム用語を引用して”チート”と呼ぶらしい)も含めて愉しむタイプの物語だ。スポーツ漫画のような努力や友情とは真逆の、どちらかといえば暗いタイプの愉悦。だから悪いわけじゃなくて、ただ久しぶりに形を変えて見かけたので、懐かしくなってしまったのだ。

半日で読み切ってしまう軽いお話の何がまずいか。
生活をだらりと過ごすのに、これほど楽な娯楽は無い。「ああ、荷造りをしなければ」「縫い途中のレザークラフトがあったなあ」「人生でこれほど暇な時期は、もう無いのだろうから、何か実のあることをしなければ」と思いながらページをめくるのだ。
後で「もう少し何とかならなかったものか」と後悔すること必至である。

まあいいや。そういう日もある。
そういえばずいぶん日が長くなった。曇り空なのに、19時でもずいぶん明るい。
曜日感覚も時間間隔も狂いつつある今日このごろ。明日から本当に雨らしいので、引っ越しの荷造りを含めた整理整頓を進めようと思う。

 

 

 

 

*1:ちなみに映画館は古い作品を上映していたりと、よくわからない上映スケジュールになっている。イオンシネマなのにリバイバル上映をする時代なのだ。

マイナンバーカードを受け取った

3月に手続きをしていたマイナンバーカード、ようやく受け取ることができた。
ずいぶん待った気がする。たぶん職人が1枚ずつ、素材から手で削り出しているのだろう。

https://www.instagram.com/p/CAMs8NFgxM3/

 

受付の時も、パソコンで出来るといいながら、結局は窓口のおじいさんが僕の写真を撮り、僕の個人情報を聞きながら入力して、手続きを進めていた。
ちょうど窓口がある駅ビル(ことでん瓦町駅)に行ったついでだったから寄っただけなのだが、あれなら自宅のパソコンで、自分で入力したほうが速かったと思う。
マイナンバーとマイナンバーカードについては、とにかく全ての手続がのんびりしている感が強い。

 

 

今日の受け取り窓口も、同じ駅ビル。
さすがに空いていた。
図書館の分館や、公営の健康相談窓口、簡単なジムなどもあるフロアの大半が使用中止となっているから、とても静か。幼児向けの遊具やベンチも、今日は使えない状態だった。

本人確認の後に、パスワード2種類を設定する。これは自分で端末を操作して行う。
パスワードを書いた紙は「一緒に持ち運ぶな」と言われて渡される。正直なところ、そんな紙は要らないのだが、不要だと伝えたら「渡すことになっている」と言われてしまった。セキュリティリスク、という言葉が頭に浮かんだのだが、まあ仕方がない。

 ちなみに、自分のスマートフォンは、NFC自体は使えるのだが、政府のマイナンバー用アプリの適用外なため、今のところカードを持っていても使いみちは無い。ハードウェア的には(例えばNFCのバージョンなどは)条件を満たしているので、給付金申請などで活用したかったのだが。

 

帰路、県立図書館に寄った。
読み終えた本を返し、続巻を2冊借りる。
小さなサコッシュで自転車移動。そして外は小雨が振りそうな感じ。
なので買い物用に持ち歩いている、小さく畳めるバッグ(袋)を使うことにする。

貸出し窓口で認証してもらっている時に、その畳めるバッグを広げる。
「はいどうぞ。返却は○○日です」と本を渡されたときに、うっかり「あ、袋はいいです」と言いそうになった。「あ、りがとう」とごまかすことができた。
このバッグを使うのは、基本スーパーマーケットのレジだから、反射的にビニール袋を断ってしまうのだった。

本当に、ぎりぎりのところで言葉を止めることができた。
中年になってから、「あ、どうも」の代わりにできるだけ「ありがとう」と言うことにしているのだが、今日はそれが役に立ったかたちだ。
図書館という知的な空間で、恥をかかずに済んだ。

 

ありがとう

ありがとう

  • 発売日: 2014/04/01
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

とはいえ、この辺りのスーパーマーケットでも、ビニール袋の有償化が進んでいる。
いわゆるディスカウントスーパーとドラッグストア以外は、有償あるいは、声をかけて1枚貰える。それで不便かというと、別にそんなことはない。アパートがゴミ収集を民間委託していることもあって、市が指定するゴミ袋以外でも使える。そして僕は、実家から持ってきたゴミ袋、引っ越しの時に買ったゴミ袋、旅先で必要にかられて買った長崎市指定ゴミ袋の備蓄があるのだった。これだけあれば、スーパーのレジ袋を活用する理由も無いのだった。

 

[モンベル] mont-bell U.L.MONOバッグ M 1123779 BK (BK)
 

 

f:id:t_kato:20181104171148j:plain

それにしてもiMacの調子が悪い。
操作を全く受け付けなくなって、そのまま放置したら、勝手に再起動した。
昨晩、新型のMacBook Proの購入ページを見たからかもしれない。
持ち主が「次」を考え始めると、壊れるのが機械というものなのだ。特に電子機器はその傾向がある。自分としては、MacBook Proを買うつもりは、今のところ無いのだけれど*1

 

 

お題「10万円」

*1:来年度に買い替えたいな、くらいには考えていた。そして相場を知りたくて、Appleのサイトで見積もりをしたのだった。それがiMac様の気に障ったのかもしれない。僕だって同じ目に遭ったらヘソを曲げる。

開いていた図書館

図書館に本を返しに行ったところ、開館していた。

数日前には、しばらく臨時閉館する、だから貸し出し期限は延長する、と掲示板にあった。Webサイトにも、その旨書かれていた。

先ほどWebサイトを見たら、感染者数その他の数字が落ち着いたことを以て、限定的な再開をすると「ニュース・お知らせ」欄に書き足されていた。

有り難いことである。
もちろん、まだ限定された利用しかできない。
全ての机と椅子は使えず、新聞や雑誌も片付けられている。新聞が無いと、それだけで長居するお年寄りがいなくなるから防疫上は効果抜群だが、彼らの生活習慣が崩れている点は少し心配だ。
人も少なく、かつてのようにのんびりと棚の間を歩き回る雰囲気ではない。

しかし自分としては、本を借りることができれば、それで十分。
今日も2冊、小説を借りた。

シリーズで読み始めた本の4巻が棚に無くて、「いつも無いんだよなあ。まったくここで止まっているんだよなあ」と困っていたら、実は僕が予約して、取り置きしてくれていたのだった。3月の訪問時には誰かが借りていて、次の予約をしていたことを忘れていた。
もちろん忘れた僕が間抜けだ。でも、普段ならばメールも届くはずなのに今回は特に何もなかった。さらに長期休業での特別処置であった貸出期間の延長も継続中で、しかしWebサイトの個人ページではその旨が反映されていないなど、あちこちがちぐはぐである。
この混乱した状況で、それでも可能な限り、本を公共に提供する図書館という組織は本当にすごい。
本なんて読まなくても生活はできるが、しかし大切な社会の要素なのだ。

 

本の花 料理も、小説も、写真も (角川文庫)

本の花 料理も、小説も、写真も (角川文庫)

  • 作者:平松 洋子
  • 発売日: 2020/02/21
  • メディア: 文庫
 

 

https://www.instagram.com/p/B_4zkliAsfV/

 

この県立図書館は、周囲の緑地がなかなか気持ちが良い。
今風の凝ったデザインではない。
ふた昔前の重厚な建物と、その横にある駐車場の間に、歩道と植栽があるだけ。でもその樹木と石畳の短い通路を歩くのが好きで、入り口から遠い場所に車を停めてしまう。
自分にとっては、この場所を歩くことも、県立図書館を選ぶ理由の一つとなっている。

なんてことのない公共スペースではある。自分でもこの場所に惹かれる理由が、いまひとつ説明できない。

 

([お]8-1)おとぎ話の忘れ物 (ポプラ文庫)

([お]8-1)おとぎ話の忘れ物 (ポプラ文庫)

  • 作者:小川 洋子
  • 発売日: 2012/04/05
  • メディア: 文庫
 

お題「ささやかな幸せ」

 

お題「#おうち時間

 

 

t_ka:diaryは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。