ワルプルギスの金曜日・魔女の節句

ゴールデンウィークが始まった。
しかも今日はプレミアム・フライデー。
さらにワルプルギスの夜である。

 

 

あまり知られていないが、近代魔女信仰の本場といえばドイツとポーランド、そして日本では静岡県である。
特に富士山信仰と混淆した東部よりも、静岡中部地方のほうがワルプルギスの夜は盛り上がる。「夜」とはいうが昼間から様々な行事が行われるのが、静岡ならではのスタイル。昔は今日の夕方から明日の夕方が「魔女の節句」だった。

屋台で味噌餡の柏餅を串に刺して焼いたもの(名前は失念)を食べるのが子供の頃は楽しみだった。小規模ながら花火も上がったし、かつては小さな移動遊園地も来ていた。寺や神社の(和風の)お祭りとは少し違う西洋っぽさが子供の頃は大好きだった。

とはいえ、昨今の新型コロナ禍においては、大勢が集まるイベントは自粛を余儀なくされる。魔女の人達は「信仰さえあれば形式は問わない」が信条なので、逆にリモート・ワルプルギスの夜を楽しんでいるようだが、一般人の我々としては家でごちそうを食べるだけの日になってしまっている。
我が家でも形式通り、豆ごはん、鰆の西京焼き、タロイモの唐揚げ、アラメとタケノコの煮物などを食べた。桜海老が不漁で手に入らなかったのが悔やまれる。

 

小さい魔女とワルプルギスの夜(字幕版)

小さい魔女とワルプルギスの夜(字幕版)

  • 発売日: 2020/04/03
  • メディア: Prime Video
 

 

それはそうとして、甘いもの好きの自分としては、やはりイベントにはイベントの菓子を食べておきたい*1

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静岡県ワルプルギスの夜といえばシュー菓子が定番。
子供の頃はスワン・シューやエクレアばかりだったが、最近はサントノレ(サントノーレ)が当たり前になってきた。自分としても、サントノレのほうが好きだ。

というわけでボクゥボクゥ(藤枝市)のサントノレを買ってきて、自宅で食べた。
とろっとしたカスタードのようなクリームが詰まった飴がけのシューが、やはりシュー生地の土台に積まれている。見た目も味も最高である。
湿気に弱いお菓子だから、これから梅雨になるとショーケースから消えてしまう。季節感も含めて特別なお菓子といった雰囲気。

 

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店で食べるときはカフェオレかコーヒーを注文する。自宅だと紅茶。
どちらも合う。たぶん緑茶も合うだろう。ボクゥボクゥのケーキはフランスっぽいけれど、大抵の飲み物に合うのだ。

 

 

お菓子をつくる季節を楽しむ82レシピ

お菓子をつくる季節を楽しむ82レシピ

  • 作者:本間節子
  • 発売日: 2021/03/05
  • メディア: 単行本
 

 

とりあえず明日からは休日。やることはいっぱい。気晴らしに出かけるような場所もなく、遠出も旅もできない。困ったものである。

お題「ささやかな幸せ」

今週のお題「おうち時間2021」

*1:家族は甘いものをあまり食べない。

なるほどこれが食あたり

家族の知り合いが届けてくれた魚の干物を食べたら、ものすごい食あたりになった。
まずお腹が痛い。そして吐き気がする。
さらに蕁麻疹のような熱を持った発疹が、どういうわけか右腕にだけ発生した。

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こりゃあまずい、と海外旅行中に買った「食あたり・感染症胃もたれの薬」を飲む。
南米エクアドルでガイドさんに教えてもらった薬で「西洋人なら2錠を、慣れない日本人は半錠から1錠で何にでも効く」という、鎮痛消炎剤と抗菌剤と抗ヒスタミン剤と胃薬のミックスみたいな巨大な錠剤。
これはこれで胃が辛そうな気がするし、実際に慣れない頭痛薬を飲んだ時のような「胃に負担がかかっている感」がするけれど、でも冗談みたいによく効いた。

「旅行中に胃腸のトラブルに遭ったら、これも飲むとよろしい」と勧められ買っておいた炭*1タブレットも飲んでおく。

とりあえず薬を飲んで1時間で、発疹以外は治まった。
なるほど発展途上国や自然の多い国に行く時に必要とされる薬である。ありがとう、あのときのガイドさん。

 

待ち遠しい

待ち遠しい

 

 

幸いなことに、家族はこの干物を食べていない。
自宅療養中の家族がいるので、こういった手作りの貰い物は、まず自分が食べることにしているのだ。免疫が落ちていて外出さえ気を遣いながら暮らしている人には、かなり危ない食べ物だった。

右腕は、まだかゆい。
涼しいような暑いような不思議な天気のため、気温の調整が難しい。なので、じわじわとかゆくなる時もあれば、大して気にならないときもある。
外は大雨で外出する機会はなく、読書とパソコン作業と自宅デジタル仕事を進めていたのだけれど、とにかく集中できなくて困ってしまった。というか、かなりの時間を唸りながら寝込んで過ごした*2

 

しかし酷い干物だった。
味は良かった。生干し状態とはいえ、冷凍して届けてくれて、変な匂いもなかった。うっかり焦げるくらいまで焼いたから、火が通っていないというわけでもない。

 

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ともあれ南米旅行で買った薬が役に立ってよかった。
子供の頃、ファンタジーRPGでは「完全回復薬(非売品)」はなかなか使えなかった。このエクアドルで買ったアメリカ製の薬だって、ずっと旅行用ポーチに入れて使わずにいたのだ。
今回は良いタイミングで飲むことができた。ちなみにあと11回分ある。

 

ガラパゴスの箱舟

ガラパゴスの箱舟

 

 

お題「ささやかな幸せ」

 

*1:活性炭

*2:高熱が出て、保健所に電話するようなことになったらどうしよう…と焦っていた。念の為に家族とは接触を避けていた。

新玉ねぎとちりめんじゃこ

特に書くこともないし、今夜は忙しい。
友人からノートパソコンを1台預かっていて、先ほどから初期設定などを始めたのだ。こういう作業は放置時間も長いけれど手間もかかる。
それに眠い。

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正直言って、日記なんか書いている場合ではない。
書くべきことも思い出せない。

仕方がないからお弁当について書く。なお、写真は無い。

  • 五穀米ごはん
  • ちりめんじゃこと新玉ねぎと梅の和えもの
  • かつおぶし入り卵焼き
  • にんじんサラダ
  • アスパラガス(茹でただけ)

新玉ねぎを放り込んで炊いたごはんがおいしかったので、その応用として和えものを作ってみた。電子レンジで火を通した新玉ねぎに、刻んだ梅干し、ちりめんじゃこ、少しのごま油を混ぜたもの。ちりめんじゃこの魚臭さ、新玉ねぎの玉ねぎ臭がほとんど消えていたので成功とする。お弁当としては、やや箸で掴みづらいかもしれない。

卵焼きは、何か具が無いかと探していて目についた花鰹を入れてみた。こういうものは多めが良い。想像よりおいしい。ただし見た目は“異物混入”感がある。

にんじんサラダはにんじんサラダ。
アスパラガスは庭から採ってきて、茹でただけ。

以上、おしまい。

おやすみなさい!

 

 

今週のお題「お弁当」

「科学的」は武器になる 世界を生き抜くための思考法

「科学的」は武器になる 世界を生き抜くための思考法

  • 作者:早野 龍五
  • 発売日: 2021/02/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
大阪

大阪

 

 

栄養強化ヨーグルト

数枚のコピー用紙が爪と皮膚の間に入って、少し血が出て痛い。
その状態で何度か消毒用アルコールを手にすり込むことになるので、一日に何度も叫びそうになる。僕が幼稚園児だったら泣いていただろう。

キーボードを叩くときも、傷めた人差し指は使わないようにしている。
ちょっと不便。ちなみにシャンプーをするときも痛かった。

 

バクのあかちゃん

バクのあかちゃん

 
手のひらの動物 羊毛でつくる絶滅危惧種
 

 

 

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それはそうと、今日も昼ごはんの準備が無い。
外食で済ませるつもりだったが、食べたいものが思い浮かばない。
これにはいささか驚いた。
社員食堂や給食や自作のお弁当ではない、純粋な外食ばかりの生活は人生初だったが、なんと1ヶ月と少しで飽きてしまった。マクドナルドやラーメン屋や吉野屋やガストやホカホカ弁当といったファストフードを好きなだけ楽しんでいたのに、今日はなんにも思い浮かばない。たまに“少し良いもの”を食べようと決めた時にはそれなりにわくわくするけれど、毎日はちょっと大変。

でもさすがに「なんにも思いつかない」なんて事態は初めて。自炊をする時には何度か遭遇した。具体的にはスーパーマーケットで遭遇した。

そういう時には、よくヨーグルトを買った。
無糖のプレーンヨーグルトを1個。できれば無脂肪。

ヨーグルトは安くておいしくて、たくさん食べれば満腹になる。コストとヘルシーさのバランスが取れた良い食品だと思う。

そして今日のお昼ごはんも、ヨーグルトにしてみた。
困った時にはヨーグルト、それが自分のスタイルだと思い出したわけだ。

誰もいない公園に行けばヨーグルトを食べても変に思う人もいない。

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今日は「栄養価調整ヨーグルト」を買ってみた。
基本の無脂肪プレーンヨーグルトにビタミンや食物繊維や鉄やマグネシウムが添加されている。価格は通常のものと数十円しか変わらない。

少し黄色みがかっていて、ビタミンB系の匂いがする。
人工甘味料で薄く甘味がつけられていた。

味は満足。何を食べて良いのかわからない時にとりあえずお腹を満たすにはベストなチョイスだったと評価している*1
しかしここまで機能的だと、ディストピア飯の風情が漂う。
もっと味気ないカロリーメイト等よりも、中途半端においしくて、よりヘルシーな分だけ、「質の良いエサ」な感じが強い。
そして、満開を過ぎた藤棚の下で食べていると、非現実感がすごい。

 

しかしそれでも良いお昼ごはんでした。
午後も特に空腹にはならなかった。また買おう。

 

 

*1:温かいものが食べたい、一種類の味のものを延々と食べ続けて食事としたくはない、食事には塩味が欲しい、という人にはおすすめしない。

知らない天井

帰宅してから少し落ち着くと、かなり猛烈な眠気に襲われる。
春だからか。

だいたい30分くらいのタイマーをセットして寝ることにしている。

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今日はこの昼寝において、目を覚ました時に、完全に自分の状況を忘れていた。
自分が今どこで、どういう理由で寝て起きたのか全くわからない。朝なのか夕方なのか、何曜日なのかもわからず、そして天井が見知らぬ家のそれに見える。

もちろんこんな状況は数分と持たない。
仕事の後に帰宅して寝たこと、今から近所のスーパーマーケットと農産物直売所で買い物をすること、足と目が疲れているけれど想定内であること。もうすぐ家族が通院先から帰ってくること。

なんとなくだが、金縛りや幽体離脱に近い状態だったのではないかと推測している。
金縛りなら何度も体験している。あれはどう考えても心身の(肉:心=8:2くらいの割合)トラブルである。慌てなければ「なるほど金縛りとは、こういう状況なのか」とわかる。

おそらくは今回の「知らない天井」状態も、何度か発生すれば慣れるだろう。
病気でなければ放置である。

人類の英知であるところのインターネット(日本語)を検索した限りでは、今回の僕のように、寝起きに自己を喪失した人は「あの世に身体ごと持っていかれる」「知らない世界に迷いこんで、家族や友人の記憶、写真や役所の記録から完全に消えてしまう」または「ロシアの魔女(老婆)の下僕として蕎麦粥を運ぶ係になる」そうだ。
「自己を一時的に喪失する」から「社会から消えていく」に繋がることが共通点だろうか。「では誰がそれを記録したのか?」が気になるところではあるが、ともあれ困ったことである。
選べるのならロシアの魔女の下僕になりたいけれど、それも程度問題。1週間くらいで帰宅できるのなら試してみたいところだ。

 

 

先週より涼しく、なかなか過ごしやすい日だった。
回鍋肉は上手にできたし、友だちへ手紙も出せた。まずまずの月曜日だったといえる。

 

バーバ・ヤガー

バーバ・ヤガー

 
バーバ・ヤガーとままむすめ (世界みんわ絵本)

バーバ・ヤガーとままむすめ (世界みんわ絵本)

  • 作者:渡辺 節子
  • 発売日: 1993/03/01
  • メディア: 大型本
 

 

お題「ささやかな幸せ」

ぼた餅の日曜日

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重箱にぎっしり詰まったぼた餅をいただいた。
びっくりした。
そういうものは、もっと田舎に住んでいて、地域に根ざした暮らしをしている家庭にしか来ないと思っていたので。

どうやら親の知人が作って持て余したものが、そのまま(こっそりと)我が家にやってきたようだ。
節句などのイベントにおいて、本家の嫁達が山ほど作って分家に配る…みたいな習慣が山の向こうの集落には今の時代も存在している。ところが分家も高齢化が進んでいて、重箱いっぱいの炭水化物なんて摂取したら月曜日の定期検診でお医者様に怒られてしまう。そんな事情。

一度で良いから、重箱いっぱいのぼた餅、あるいはおはぎを食べてみたかったのだ。
いや、全部はさすがに多い。ただ、ひたすら飽きるまで食べたら幸せだろうなあ、と思うのだ。

こういうものは自分で作るよりも、他人から貰うほうが嬉しい。
サプライズならば尚更。

というわけで今日のぼた餅は、日曜日を彩る最高のプレゼントとなった。

 

しかし上記の通り、全部は食べられない。餅米と小豆と砂糖とゴマと落花生。さすがに不摂生過ぎる。
思う存分食べて、少しを冷蔵して、残りは小分けした後に親戚の家におすそわけ。
名残惜しいけれど、自分だけで毎日お腹いっぱい食べ続けたら生活習慣病になってしまう。さらにいうと、家族がそれを許さない。

 

それにしても、おいしいぼた餅だった。
静岡県東部にルーツを持ち、「本家の本家」はそちらにある家の品。1つずつが小さいことが、東部の特徴らしい。
きな粉代わりに落花生の粉を使っているのも、産地の伝統かもしれない。

 満足した。
ちなみに写真は撮っていない。そしてお昼ごはんは、このぼた餅だけだった*1

何度でも食べたい。 あんこの本 (文春文庫)

何度でも食べたい。 あんこの本 (文春文庫)

  • 作者:尚美, 姜
  • 発売日: 2018/03/09
  • メディア: 文庫
 

 

 

*1:ビタミン剤と野菜ジュースを摂取したのでヘルシー。

春の長袖を買う

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長袖のTシャツを買い足した。
というのも、今まで愛用していた長袖Tシャツ(生成り白と紺の横縞)の裾がぼろぼろになってきて、いささかみすぼらしいので。布そのものはクタッとして良い感じだけれど、キャンプや工作や家事で繰り返し擦れた場所からほつれてしまった。
スニーカー的に使い倒したにしては長持ちしたと思う。

とはいえ、長く着ただけあって、シルエットはいささか今風ではなく、袖も少し長め。そんなわけで、今回は思い切って買い換えることにしたのだ。

 

とはいえ昨今の情勢下で、混雑する服屋さんを巡るのも得策ではない。
上手い具合に、市内の山奥に通販会社の流通拠点があって、小さなアウトレット・ショップがあるという。自転車散策で十分に行ける距離でもあるので、頑張ってみた。

ほぼ無人の倉庫みたいなアウトレット・ショップだった。
ちょうど良い感じの、いかにも「後継」といった長袖Tシャツが程よい価格で手に入った。
これで、心置きなく古いほう(ボロいほう)を処分することができる。

せっかくだから、古いほうは工作や革の手入れに使うウエスとして活用する。
ハサミを入れるまでは走馬灯的な想いもあったけれど、布切れになったらそんな感傷も消えた。

 

 

夕方からは新しいTシャツを着て、古いほうで作ったウエスで自転車を拭いた。
それが今日の出来事。他に書くべきこともない。

 

大人のおしゃれ17 最終号

大人のおしゃれ17 最終号

  • 作者:大橋 歩
  • 発売日: 2018/03/15
  • メディア: ムック
 
今日のわたし

今日のわたし

 

お題「これ買いました」

 

お昼にイチゴ

今日のお昼ごはんは、どういうわけかイチゴだった。

いつものように昼休みには自転車で職場を出て近所を散策。何かお弁当でも買おうと現在は休業中の仕出し料理屋さん(宴会や法事が無いので休業している)の前を通ったら、テイクアウェイ・コーナーができていた。
お弁当は売り切れていて、イチゴが安売りされていた。

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「そのままで甘い。すぐに食べるのならば洗います」と書いてあった。
なんだかよくわからない迫力がある。
どうせお弁当屋さんやファミレスに行っても代わり映えのしない内容なのだからと、今日はこのイチゴを食べることにした。

なるほどとびきりおいしかった。
「そのままで」と書いてあったのに加糖練乳が付いてきたけれど、全く不要。使わなかった練乳は、なんとなくかばんに入れて、自宅に持って帰ってきた。

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イチゴを1パック食べると、それなりの満足感がある。
昼食には少し遅めの時刻だったこと、午後の早い時刻で自宅作業に切り替えた事もあって、空腹に悩むようなこともなかった。

では毎日のお昼がイチゴだったら…と考えると少し躊躇してしまう。
飽きるまで食べるというのもつまらない。イチゴはなんとなく特別な果実という認識がある。

 

 

大阪

大阪

 

 

パンと野いちご

パンと野いちご

 

今週のお題「お弁当」

 

軽車両専用信号の悲劇

自転車通勤の際に出会う「交通安全おじいさん」が、わりと凶暴。
今日はその話を書く。

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彼らは長い竿を改造した旗を持っていて、マナーの悪い高校生やスクーターにはその旗を振り回して威嚇する。
彼ら(複数人いる)の守備範囲は、公園前の歩車分離信号と交差点。
ここでは、歩行者用の信号が青の時は、自転車は当然ながら降りて渡る。
これは多くの人が守っている。まだ「横断歩道を自転車で走る」が当たり前の老人はいるけれども、通学中の中高生はきちんと降りる。若者においては、少なくとも大きな交差点では自転車を降りる習慣が根付いているようだ。

そしてこの交差点には「軽車両用信号機」も存在する。
車が動く前に、優先道路だけでも自転車を通してしまって安全を確保するための設計なのだ。

これを交通安全おじいさん達は理解できない。
軽車両用の信号機が青く光れば、自転車は(当然)走り出す。
この時には、自転車に乗ったまま横断歩道を渡ることになる。これが交通安全おじいさん達には許せないのだ。毎日その状況に怒り、旗をばたばたと振り回し、時には怒鳴る。

とはいえほとんどの自転車は、この「軽車両用信号機」を無視して、じっと待っている。
おそらく、多くの人は「自転車は軽車両である」と認識していないのだ。
軽車両専用信号機を見て反応するのは、ロードバイククロスバイク、ミニベロなどの「趣味の自転車乗り」ばかり。

交通安全おじいさん達は、「自転車に乗っているときは軽車両、降りれば歩行者」であることを理解していない。単純に「この交差点においては自転車は降りて渡るルールである」と主張する*1
だから、本気で怒っている。旗竿を何度も叩きつけられたガードレールは変な色が付いてしまっている。朝の通勤通学の風景に、老人男性の怒号が交じる。

 

これは、なかなかの悲劇だと思う。
交通安全おじいさん達はボランティアである。何に協力をしているのかというと、警察の交通安全活動を手伝っているわけである。以前、交差点が整備された時には、交通整理の警官も立ち会っていた。
だから警察は、彼らに正しい認識を持たせるべく、きちんと説明をすべきなのだ。

 

…というようなことを今日は「市民からの交通安全の要望書」として代筆してきた。
職場の関係者が警察にそういう文書を出す必要があって、でも何もアイデアが浮かばず、ネタが無いのかと頼ってきたのだ。
こういう話ならいくらでも思いつく。書くのだって数分だ*2

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きちんとルールを意識して自転車に乗ってみると、日本は随分といい加減なのだとわかる。
一番簡単な理解の方法としては「乗っている時はスクーター(原付きバイク)のように、降りたら歩行者のように」である。加えて「広い歩道は例外として走ることも可能だが、基本は避ける」。
趣味の自転車乗りならば常識でも、大多数の「生活の足」のママチャリ、通学通勤自転車の人達にとっては「歩行者の延長」と認識されている。これこそが悲劇の元だと僕は考えている。

そういえば未だに「自転車が車道を走っている!」と怒る人達もいる。
明確に幅寄せをしてきた車も知っている*3

 

旅するボールペン in稚内

旅するボールペン in稚内

 

 

 

友だちと並走しておしゃべりをしたり、スマホを見たり傘をさしたりするのではなく、効率の良い移動手段として自転車を捉えた場合、交通ルールを愚直に守ったほうが楽で便利だ。何も「いい子」ぶりたいわけではなくて、試してみると世界が変わるくらいに(別の乗り物みたいに)感じられるのが、歩行者の延長ではない乗り方。どんな自転車でも、それは同じ*4

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残念なことに、そのルールは義務教育中の「自転車安全教室」と、自身の(少なくとも昭和や平成生まれの)常識、街の大多数の雰囲気とは少し違っている。何か機会がないと「そんな事は知らなかった」「趣味の自転車乗りだけのルールじゃないの?」と思ってしまうことも確かなのだ。
単純に自転車で街を走るだけでも、常識を疑うことが求められる。それくらいに僕たちの常識は間違っている。
少なくとも善意の老人には、きちんと"権力の側”が伝えてあげることが必要かつ有効だと考えている。

 

 

 

新・自転車“道交法"ブック (エイムック 3721)

新・自転車“道交法"ブック (エイムック 3721)

 
おりたたみ自転車はじめました

おりたたみ自転車はじめました

 

 

 

 

 

 

*1:お揃いの帽子とウインドブレーカーを着用した彼らが、他の交差点では自転車に乗って並走かつ逆走していた。彼らが守りたいのは"この交差点”の秩序である。その是非は今回は問わない。

*2:業務外なのでギャラも出た。お昼ごはんとオヤツで使ってしまった。

*3:香川県高松市での出来事。週に何度か遭遇して困っていたら、パトカーに捕まっていた。

*4:ちなみにヘルメットも最初は面倒だけど、当たり前になると快適。安心感だけはなくて、風を防ぎ日差しを遮り、しかも勝手に飛んでいかない。帽子では、こうはいかない。

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