瀬戸内国際芸術祭2019 秋期 ─小豆島日帰り放浪─ 疲労編

瀬戸内国際芸術祭2019の秋期もあと僅か。
ずっと行きたかった小豆島にようやく行けた。

9時のフェリーに乗り、17時後半に四国へ戻ってきた。
スマートフォンのバッテリーは4割消費、出費は5000円未満、ペットボトルのお茶を2本飲んだ。暑さ寒さは程々で、天気も良くて綺麗な写真も撮ることができた。
見たかった作品はほとんど鑑賞して、大満足。
そしてなにより、疲労している。

小豆島といえば、3年前には静岡から半日以上かけて行った場所。1泊している。
今回も同じ土庄港からのスタートとなった。
前回と同じく自転車を持ち込んでいる。3年前はSTRIDA、走行性能は貧弱だが街乗りには適した、コンパクトな折りたたみ自転車だ。

今回は、それほどコンパクトにはならないが、一応は折りたたみ自転車。香川県で生産されている「Tyrell」というブランドのFXというモデル。ロードバイククロスバイク並みの走行性能が特徴。

というわけで、前回は行けなかった山の上や遠方まで自転車で行くことも可能となった。小豆島に行く目的の半分は、この自転車で丸一日走ることだったりする。そのためにコツコツと改良を続け、島巡り仕様(Tyrell FX-IsH*1)に仕立てたのだ。

ところで島というのは、よく言われているように、海に立った山である。必ず坂がある。
だから港町から離れるときは、どこに行くにも坂を登り、下りなければならない。
これは運動不足の僕にとって大変に辛い事実だ。登って降りれば差し引きゼロだが、疲労はゼロにならない。困ったことである。

そして小豆島、意外と広い。四国をオーストラリアの大きさにしたら、タスマニア島くらいはあるのではないか*2

だから今日は長い距離を走ることになる。土庄から別の集落や町に行くために、峠を超えながら。

そして今日の最優先目的地である「中山」地区においては、千枚田と呼ばれる棚田が有名である。棚田がある、ということはつまり、山地なのだ。

なのでまず土庄から中山地区に行くまで、延々と坂を登ることになる。最初は緩やかに、そして途中からかなりしっかりとした坂になる。農産物が軽トラックだけでなく小さなモノレールで運ばれるような土地だ。

それでもまあ、中山地区の風景、そして展示作品は素晴らしかった。頑張った甲斐があった。
3年前に行かなかった事が悔やまれる。小豆島の代表的作品として皆が行く理由がわかる。

 

山に登った後は下り坂。スピードが出過ぎる為にブレーキを使いながら、あっという間に海に到着する。自転車も僕もこの時の余剰エネルギーを回生することができない事が悔やまれる。

それから、次の目的地に向かって走る。
ざっくり言うと、島の東のほう。途中までは3年前にも行ったことのある道だ。だからとても懐かしいし、気持ちよく走ることができる。多少は坂があるけれど、かつて小さなタイヤでギヤの無い自転車でも走れた事実が、気を楽にする。全体に白く乾いていて、広くて、静かな島だ。

そのまますいーっと、さらに東へ。
ここで誤って、目的地ではない岬のほうへ入ってしまった。

島嶼における第1原則が「島は山である」ならば、第2原則は「岬はさらに山である」だ。当たり前だが、平坦な岬はほとんど存在しない。例外があると、エンジェルロードとかいう腑抜けた名前が付けられて、恋人たちの聖地になるが、その話は今回は関係ない。

とにかく岬を走ることになる。延々と坂道が続く。
島における唯一の平坦な土地は海岸線なのだが、残念ながら瀬戸内の島々においては必ずしも岬の海沿いに道路は通っていない。というか、岬はほとんど峠と同じ扱いとなっている。

登っては降り、また登って、ようやく辿り着いた岬の反対側には何も無かった。その時点でようやく「通る必要のない岬を横切った」ことに気づいたのだから間抜けである。

もちろんその後も、通る必要のある岬や峠をいくつも超える必要があった。肉体的にも精神的にも疲れた自分にはこの道行きが一番つらかった。誰もいないところでは、ひいひいと声を出していたかもしれない。漫画でもないのに、ひい、とか、ふう、と言っている人を初めて見た(自分だが)。

同じように道を間違えた人達に何回か遭遇した。
ママチャリ仕様の電動自転車に乗った大阪の大学生の女の子2人は、疲れたとか暑いとか言いながらもきちんと一定のペースで走っていて、さすが若者である。
フランス人らしきおばさん2名*3は、迷おうが疲れようがあまり気にしていない様子。ヨーロッパ人は疲労に強いのかもしれない。
ちなみに韓国人や中国人は、専ら公共交通機関を使うようだ。

とにかくそうして辿り着いた小豆島町
知人が「素麺や郷土料理を食べるつもりが無いのなら、ここがいちばん」と教えてくれた「EAT」というカフェレストランが、抜群に良かった。疲れた果てに辿り着いた、という部分を差し引いてもこの店は美味しい。
三重県における「Snug」や「喫茶tayu-tau」の水準といえば一部の人にはわかるかもしれない。


醤(ひしお)を使った煮豚の丼と味噌汁のセットを注文。食後にはコーヒー、そしてブドウとイチジクのシュークロッカンなるデザートを食べた。

このEATの周辺には瀬戸内国際芸術祭の有名な作品群もある。しかし僕としては、瀬戸芸が終わった後に、この店のごはんとコーヒーの為に再訪したい気分なのだ。それくらいに良いお店だった。

本来は土庄まで戻って、朝と同じフェリーに乗って帰るつもりだった。
しかしすぐ近くの草壁港から高松行きのフェリーが出ていて、本数は少ないものの土庄発よりも空いているというので、それに乗ることに。乗る便を遅らせればもう1時間か1.5時間は滞在できたのだけれど、あまりにも疲れていたので、今日は夕方には帰ることにした。

港から家までも自転車。高松市の平坦さに感動しつつも、ちょっとした瞬間に脚が震えているのがわかる。途中で寄ったお店では、3分くらいカップスープの棚を眺めていた。カップスープなんて買うつもりは無いのに。

 

帰宅して、たっぷりの夕食を食べて、お茶を飲んでも疲れは(当然ながら)取れない。

豆乳にプロテインを入れて、手持ちのビタミン剤と共に摂取する。これが僕の医食同源。ついでに葛根湯も飲む。筋肉痛に効く、と書いてあったから。

 


そしてシャワーではなくてお風呂に入る。入浴剤を入れて、文庫本を持ち込んで、タイマーで時間を計って、長い時間をお風呂で過ごす。

それからこうして日記を書いている。ようやく落ち着いた。

海外旅行並に疲れた日帰り旅だった。
作品については、後日書く。

今日はもう寝る。おやすみなさい。

 

瀬戸内国際芸術祭2019 公式ガイドブック

瀬戸内国際芸術祭2019 公式ガイドブック

 

 

 

Casa BRUTUS(カーサ ブルータス) 2019年 8月号 [アートを巡る夏の旅。]

Casa BRUTUS(カーサ ブルータス) 2019年 8月号 [アートを巡る夏の旅。]

 

お題「ひとりの時間の過ごし方」

 

お題「コーヒー」

お題「行きたい場所」

*1:タイレルエフエックス アイランドホッパー仕様Ver1.20

*2:逆にわかりにくいかもしれない。

*3:大声でフランス国歌を歌い始めたから、たぶんフランス人だろう。