読書と映画が趣味です

連休の使い方が下手になっている。
雨だと思って昼前まで寝ていたら、きちんと晴れた。
午後に買い物に外出した以外は、多少の家事をした程度。
昨晩は寝る前に思いついて工作を始めて、夜遅くまで起きていた。そのエリア(部屋の一角が“散らかしても良いエリア”に設定されている)の片付けも済んでいない。

では何をしていたのかというと、映画と読書だ。
履歴書の「趣味」欄に「映画鑑賞」「読書」と書くと軽んじられる、と聞いたことがある。


確かに他の趣味に比べるとずいぶんと楽なものだ。
もちろんそれは「ただ観る・読む」だけの話。
例えば今日の自分がそういう時間の過ごし方だった。

映画だって映画館に行ったわけではない。
Amazonの動画配信サービスで、宇宙飛行士モノ(史実を元にした作品)を観ただけ。どれも大変に面白かったけれど、映画館で観たかったという想いは消えない。見逃した作品をリストにしておくのも考えものだ。

 

ファースト・マン (字幕版)

ファースト・マン (字幕版)

 

 

読書はさらに楽だ。
電子書籍リーダーなら、どんな本でも同じ姿勢で読める*1。これはもう延々と続けることができる。
小説に疲れたら漫画、それにも疲れたらノンフィクション、また最初の小説に戻り飽きたら古いお気に入りを少し読む、といった楽しみ方ができる。
長く続けると、それだけ“時間つぶし”要素が大きくなる。

例えば趣味がSUPならこうはいかない。
準備をして、仲間やSUPショップに声をかけて、時間通りに現地について、楽しんだら帰宅して道具のメンテナンスをする。趣味を楽しむためには社会性や計画性が求められる。
太宰治だって、SAPを趣味にしていたらもう少し明るい生活ができたと思う。
本ばかり読むのはどこかに危うさがある。そのお手軽さが故に危ういのだとしたら、これはもう生活の危機といえる。

 

SUPスタートBOOK (エイムック 3105 START BOOK)

SUPスタートBOOK (エイムック 3105 START BOOK)

 

 

 

 

 

 

ところで今日はその読書というか漫画の一気読みで数時間が過ぎていった。
昔、知人から勧められていた「湯上くんは友達がいない」という作品。セール中に溜まっていたポイントでまとめ買いをしたもの。読み始めたら止まらず、昨日と今日で16巻を読み切ってしまった。

一人でも全く平気な高校生「湯上くん」と、転入生の「ちひろさん」と、彼らの友人知人のお話。「空気を読まないおひとりさま」コメディーではあるが、お笑いというよりドラマに近い。

どこか品が良くて読んでいて疲れない。友人の夫氏はいくつかの読み難さを挙げていたけれど、僕には逆に自然に思えた。例えばこういうところ。

  • ちひろさん」含め女性陣は日によって、あるいはストーリーに関係なく少し髪型が変わっていることがある。
  • 女性は、体型によるキャラクターの描き分けがほとんどされていない(太っている・痩せているキャラクターは出てくる)。
  • わかりやすいラブコメディ的なイベントがほとんど無い(夏に海に合宿に行くなど)。

部活や文化祭といった学校生活に付随する諸々はあるし、きちんと者ラクターはそこで右往左往している。成長や変化をし、最後は卒業まで描かれる。丁寧な青春群像劇だと思う。
友人の夫氏の不満は、共感はせずとも理解はできた。これ、たぶん「作者が女性」という部分が大きい。連載ラブコメ漫画のお約束に全て沿わないで描けば、上の箇条書きのようになるのは当然だろう。

絵はとても端正で、癖もなくて読みやすい。
何より、キャラクターが叫ぶ、あるいは演説をして何かががらりと変わるわけでもないところが実に自然だ。思い返すと、日々の小さなやりとりで自分も周囲も変わっていった。「漫画らしいキャラクターで、漫画らしからぬ自然なストーリーが進む」というちょっとめずらしいスタイル。特に後半の数巻はその傾向が強い。
全然知らない漫画だったけれど、名作と言って良いのではないか。16巻できっちり完結して余韻のある終わり方をしているのも素晴らしい。高校の図書館に置いて欲しいとさえ思える。

 

 

 

漫画といえば、こちらはまだ完結していないけれど、先が楽しみな作品。

モブ子の恋 2 (ゼノンコミックス)

モブ子の恋 2 (ゼノンコミックス)

 
モブ子の恋 1巻

モブ子の恋 1巻

 

「モブ子の恋」。
5巻まで出ている。引っ込み思案な大学生の女の子が、同じような男の子と交際を開始した、というところまで話が進んでいる。
大学生のアルバイトの空気感が上手い。
対人関係でうじうじ悩むところ、変な部分で敬語になってしまうところは強く共感する。

しかしこの作品、題名にちょっと違和感がある。
主人公は自分自身を「モブ:映画やドラマの“その他大勢”“主人公になれない脇役以下”」と卑下する。
しかし自分は、ドラマ一般におけるモブとは彼女のような人間ではないと思う。
令和元年におけるモブは「謙虚さに欠け、想像力が(メインのキャラクター比べ)劣る集団」だと考える。
実生活でもそういう集団は存在する。瀬戸内国際芸術祭の作品前で「うぇーい」と騒いで他の人達の鑑賞の邪魔になる連中がそうだし、駅で人が困っていても遠巻きにしているだけ(話題にはする)連中がそれだ。
モブは悩まないし、他人に気を遣って失敗もしない。

つまりモブとはメインのキャラクター集団の背景として、時代の空気を演出する装置なのだ。だから少し過剰に、感じが悪くなる。天国を描いた作品なら天使みたいなモブになるだろう。

というわけで、5巻を費やしてうじうじと悩みながらようやく手を繋いだ程度の主人公達は、モブではない。きちんとエッジの立った主人公になっている。

とはいえ「目立たない、スクールカーストにぴったりはまるわけでもない、単に影の薄い若者たちの恋愛と人生の物語」では、どう考えてもタイトルにならない。
こちらはAmazonで「Unlimited」やセール扱いになることも多い。「湯上くんは友達がいない」と同じく、お約束や派手なシーンが少ない、落ち着いた良い漫画です。おすすめ。

 

モブ子の恋 5巻

モブ子の恋 5巻

 

 

 

 

あまり夜型にはなりたくないのだが、しかし今日はこれで寝てしまうのは良くない気がする。シャワーの前に、ちょっとだけ自転車で走りに行こうと思う。
自分をよく知る人達ならば、自主的に身体を動かす(しかもその目的が身体を動かすことそのものなのだ)なんて信じられないかもしれない。
しかし最近、自転車が楽しいし、街を走っていれば飽きない。「ちょうどよいサイズの小さな市街」である高松が合っているのかもしれない。

 

今週のお題「部活」

お題「最近見た映画」

 

*1:利点でもあるが、本の厚みという情報が無くなるのは風情に欠ける。

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